中央道・高井戸IC 半世紀経て下り線入り口開く? (日本経済新聞から引用)

小学校の動向にかかわらず、すぐに作ればいいのに。

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約50年にわたり未着工だった東京都杉並区の中央自動車道高井戸インターチェンジ(IC)の下り線入り口が、2020年度末にも開設される可能性が出てきた。IC近くの区立小学校に移転構想が浮上したのがきっかけだ。経済団体は早期開設を要望している。事業主体の高速道路会社が建設を始めるには、地元住民との合意がカギを握る。
首都高速4号新宿線中央自動車道の接続地点にある高井戸ICは、環八通り甲州街道に近い交通の要衝だが、調布や八王子方面に向かう下り線の入り口(ランプ)がない。

 IC付近に杉並区立富士見丘小学校があり、1970年代に地元住民から建設反対運動が起こったためだ。地元住民の要望に配慮し、76年に高井戸IC―調布IC間が開通して以降も、入り口は着工されないままの状態が続いている。

 周辺の一般道から中央自動車道の下り線に入るには、次の調布ICまで進むか、一つ前の首都高速4号新宿線の永福ICに迂回しなければならない。かねて運輸業界などのドライバーから不便との声が上がっていた。

 しかし11年に都が中央自動車道の北側に大規模公園の整備を決めたのに伴い、区立小学校の移転計画が持ち上がった。大規模公園の整備地のそばに、小中一貫教育校を開設する構想。区は13年度予算案に一貫校の調査費を計上した。田中良区長は「小中一貫校ができれば、結果として、高井戸IC入り口の建設を妨げてきた最大の障壁がなくなるのでは」と話す。

 高井戸ICの開設を巡っては、76年に日本道路公団(当時)と東京都、杉並区、富士見丘小、小学校PTAの5者間で「5者で協議、解決すること」との確認書を交わしており、住民との合意が着工の前提になる。

 事業主体の中日本高速道路会社は現時点では「コメントは差し控えたい」としている。ただ日本高速道路保有・債務返済機構との協定で、21年3月末までに高井戸IC入り口の開設工事を完了させる計画を盛り込んでいる。地元住民との合意が得られれば建設する意向とみられる。

 経済界からは「入り口がないことによる経済損失は大きい。大規模災害時に対応するためにも、早く開設してほしい」(東京商工会議所世田谷支部)との要望が出ている。

 20年には現在工事中の東京外郭環状道路(外環道)の世田谷―練馬間(約16キロメートル)が完成する見通し。外環道と中央自動車道のジャンクションが調布市付近にできる。高井戸IC下り線の入り口ができれば、ここを起点に都心から各方面への交通アクセスが向上する。

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