孫社長「世界一の会社になる」―スプリント買収確実に (WSJ日本版から引用)

しばらくの間、日本が世界をけん引できるよう、我々は活躍することが出来うるのではないか。

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【東京】米通信大手スプリント・ネクステルの買収の実現性が高まっているソフトバンク孫正義社長は21日の株主総会で、世界一の企業を目指すと述べた。

 孫社長はかつて「いずれは売り上げを1兆、2兆と数える会社にしてみせる」と言ったときには大ボラ吹きだと責められ、同社最大の赤字を計上した年に「営業利益で1兆、2兆と数える規模になりたい」と言うと笑われたというエピソードを披露。ソフトバンクは売上高、利益、時価総額など「あらゆる面で必ず世界一の会社になる」と述べた。

 スプリントの買収をめぐっては、ソフトバンクは米衛星放送大手ディッシュ・ネットワークと競り合ってきたが、ソフトバンクが買収する可能性が高まっている。孫社長はときおり、株主総会が祝賀イベントであるかのように発言した。ソフトバンクはスプリントの子会社で米無線通信会社のクリアワイヤの買収でも優位に立っている。
ソフトバンク株は21日、前日比1.8%高で取引を終えた。

 経営不振のスプリントの立て直しについて、孫社長は英ボーダフォンから2006年に買収した日本事業の立て直しに取り組んだときより楽だと思うと述べた。ソフトバンクはヤフー・ジャパンや中国の電子商取引大手の阿里巴巴集団アリババグループ)、米動画配信サービスのユーストリームに出資している。

 ボーダフォンの日本法人とは異なる点として、孫氏はスプリントには多機能携帯電話(スマートフォン)の品ぞろえが豊富で、高速通信網もあると述べ、営業利益も既に底を打っていると指摘した。買収が7月に完了すれば、ソフトバンクとスプリントは最初の3年間で両社合計年間約2000億円から3000億円のコストを削減できると述べた。

 ソフトバンクがスプリントを買収すれば、ソフトバンクは契約数で世界第3位の携帯電話会社となる。スプリントの株主はソフトバンクの買収提案について25日に投票を行う。

 ソフトバンクは先週、255億ドルの買収案を提示していたディッシュに対抗するため、スプリントへの買収提示額を216億ドルに引き上げた。その後、ディッシュは新たな買収案を提示しない方針を明らかにした。

 一方、子会社クリアワイヤの完全子会社化を目指すスプリントは20日クリアワイヤ株の買収提案を1株当たり5ドルに引き上げた。クリアワイヤはスプリントの高速通信網拡大のカギとなる周波数を保有している。

 スプリントが今回提示した買収額は前回の提示額より47%高く、クリアワイヤ企業価値は約140億ドルとなる。ディッシュはクリアワイヤに対して、最近、1株当たり4.40ドルでの買収を提案したが、スプリントの提示額はこれも上回ったため、主要株主とクリアワイヤの取締役会はスプリントの買収提案の支持に回った。

 スプリントは未保有クリアワイヤ株のうち約45%を保有する株主の支持を獲得したと主張している。スプリントが勝利するには50%以上の株式を確保する必要がある。

 孫氏はディッシュがスプリントとクリアワイヤに対して買収を提案したことから、米携帯電話4位の「TモバイルUSを買収することも真剣に検討した」と述べた。TモバイルUSの株式の74%はドイツテレコム保有している。

 クリアワイヤの取締役会がスプリントの買収提案を支持する決定を下したことについて、孫氏はディッシュの提案によってソフトバンクの計画が邪魔される可能性もあったため、非常に難しい問題に直面していたと述べ、きょうはいい1日だと話した。
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