新しいマネーのカタチ? 「ビットコイン」世界で拡大中(asahi.comから引用)

これから通貨は、民間企業の信用力で普及するのかもしれない。

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 【編集委員・有田哲文】「ビットコイン」という名前のコンピューターとインターネットの中だけにある仮想通貨を使う人たちが、世界各国でじわじわと増えている。国も中央銀行もいらないという変な通貨は、マネーの新しいカタチになるのか。

 英国出身で東京のIT企業に勤務するジョナサン・ウォラー氏(29)が2年前にビットコインを使うようになったのは、外国送金で何千円もの手数料を銀行にとられるのがいやだったからだ。副業のネット販売で中国の工場にキーホルダーを発注しているが、これも支払いはビットコイン。「すごく簡単だし、自分のお金を自分で自由に操ることができる」という。

 使い方は、ドルや円などをインターネット上でビットコインに換えて相手に送金。受け取った側も、自国の通貨にネット上で換金し、自分の銀行口座から引き出せる。ネット通販などで使われている「ペイパル」などの電子決済との違いは、コインが独自の価値を持ち、通貨のように振る舞うことだ。

 加えて、運営主体がどこにもないことも特徴だ。仕組みを動かすためのコンピューターサーバーが中央にあるわけではなく、自主的に参加した個々人のコンピューターがつながることで取引が成り立っている。分散型のシステムだ。2009年にサトシ・ナカモトという名前で発表された論文で仕組みが提唱され、発想をおもしろがった人たちが実現した。

 東京・渋谷にあるビルの一室。ここにビットコインと世界の通貨とを交換できる取引所、「Mt.Gox(マウント・ゴックス)」がある。登録者数50万人、世界中の取引の7割を占める。利用者の多くは欧米からだが、ネット取引なので場所を選ばない。フランス出身の起業家がウェブサイトを買って育てた。
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