EU首脳が米国とのFTA推進で合意、米大統領は12日に支持表明も(REUTERSから引用)

不景気を吹き飛ばすには、規制緩和が重要なのだろうが、自由貿易の推進も必要なのだろう。

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ブリュッセル 8日 ロイター] 欧州連合(EU)首脳は8日、米国との自由貿易協定(FTA)を推進することで合意した。これを受け、オバマ米大統領が12日に行う一般教書演説で、EUとのFTAに支持を表明する可能性も出てきた。

欧州委員会は米国との同FTAが締結されれば欧州の総生産は650億ユーロ(880億ドル)押し上げられると試算。欧州首脳の間では債務危機からの立ち直りを後押しするとの期待が出ている。

ブリュッセルで開かれていたEU首脳会議で採択された最終声明は、米国との包括的な貿易協定締結を支持すると表明。バローゾ欧州委員長は、「欧州委は、大西洋をまたぐ貿易協定の最大の可能性の追求を推し進める」と述べた。

米政府の通商担当高官は、EU首脳が示した連帯は「協定締結に向け必要なことを行う政治的な意思がEU内に存在するとの信頼を構築する手助け」となるとの立場を示した。

欧州委員会のデフフト委員(通商担当)とカーク米通商代表部(USTR)代表が共同で取りまとめている米欧FTAの草案は、すでにおおむね完成。今週、ワシントンを訪問したデフフト委員は、締結交渉開始に向け十分な共通認識は得られていると述べている。

締結交渉は数カ月以内ににも始まる可能性がある。デフフト委員は困難な交渉が予想される分野もあるとしているものの、米国とEUは共に2014年末までの合意を目指しているとされる。

米欧FTAの構想が初めて示されてから約30年。特に農業分野での合意が難しいとされ、締結に向け動き出すことができなかった。

EUは今週、米国産牛肉の輸入を一部解禁。米国とのFTA締結交渉開始をにらんだ動きと見られている。しかしEU内ではフランス、米国内ではジョージア州などが完全な市場解放に消極姿勢を示すなど、前途は多難だ。

ただ、米国も2008─09年の金融危機後の経済成長の低迷に悩んでおり、EUとの貿易障壁撤廃により大西洋をまたぐ貿易を活性化させたいとの考えは共通している。

世界貿易機関WTO)指導の下の多角的貿易交渉(ドーハ・ラウンド)が2008年に決裂してから、各国は2国間交渉に軸足を移した。EUは現在80カ国以上と交渉を進めている。



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