ダマスカス郊外で連続爆発−45人死亡・120人負傷(WSJ日本版から引用)

人は自分の縄張りを守ろうとはするが、ここまでひどいことは、人を支配しようという強い意志を持った人しかしないのであろう。
ノアの洪水を生き延びた兄弟同士での争いは、小さなものは無くならないのだろうが、支配者層が作る争いは、そろそろ庶民が見抜いて止められるようにするしかないのだろう。マスコミは支配者の道具の一つであろう。

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 【ベイルート】シリアのメディアによると、首都ダマスカス郊外の住宅地域で28日、2台の車に仕掛けられた爆弾が数分間隔で爆発し、少なくとも45人が死亡し、120人が負傷した。

爆発はキリスト教徒とイスラムドルーズ派の住民が多いジャラマナ地区で起きた。ドルーズ派はそのほとんどがシリア政権を支持している。犯行声明は出ていないが、国際テロ組織アルカイダの関連組織の特徴的な痕跡があるという。

 最初の爆発は朝のラッシュアワーの時間帯に、商業地区中心部に駐車してあった車で起きた。けが人を救助しようと人々が現場に駆けつけた時に2回目の爆発が起きたという。反体制派のサイトと「ユーチューブ」に投稿されたビデオには、1年8カ月に及ぶシリア政府と反体制派との内戦でいつも見られるシーンが映し出され、道路には人の体の一部が散乱、ビルが崩壊し、道路は血とガラス、がれきで覆われていた。車はめちゃめちゃに破壊され、人々は嘆き悲しんでいた。

 一方、最近勢いに乗っている反体制派は新たな戦果を収めた。ユーチューブのビデオによると、反体制派グループは北部の町Daret Azzeh近くでシリア空軍の攻撃用ヘリコプター1機を撃墜、パイロットを捕虜にした。また、シリア情勢を伝える反体制派のブログ、YallaSouriyaのビデオによれば、北部の都市アレッポで戦っている反体制派はアレッポの「608大隊」と呼ばれる空軍基地を占領した。このビデオでは、反体制派の兵士らがミサイルや対空武器、軍用車両などを奪取して、「アラー・アクバル(神は偉大なり)」と叫んでいる様子が映されていた。

 反体制派は過去1週間に、陸軍と空軍の基地6カ所以上を占領しており、これにはダマスカス近くの2カ所、アレッポ近くの1カ所が含まれている。反体制派は27日にも政府軍のヘリ1機を撃墜している。

 自由シリア軍の指揮官や兵士らによると、戦果を上げているのは反政府勢力内部のグループ同士の調整と連絡がこれまでよりもうまくいっていることによる。兵士らはまた、占領した基地からは新しい、改良された武器を入手していると述べている。

 一部の活動家は、戦果が上がっていることで長期的に兵士がより大胆になり、反体制派内部の政治部門が実戦部隊、特に外国勢への影響力行使が難しくなると見ている。アレッポのMuatasim Billah旅団を指揮するアーメド・アル・ファジ氏は「シリアの反体制派は政府軍を前にして自分たちで性能の高い武器を調達しなければならなかった。われわれは外部の反体制派に依存していない。われわれは現場で決定を下している」と述べた。

 シリアの武装反体制派の中にはアルカイダに忠誠を誓う過激派ジャブハト・アル・ヌスラなどのイスラム勢力も入っている。こうしたグループはシリアの民主グループの間に警戒感を引き起こしているだけでなく、米国などの西側諸国が武装勢力へのより活発な武器・資金支援に積極的になれない理由になっている。

記者: Farnaz Fassihi
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