オランダ、総選挙の公算−ユーロ圏最上格付けさらに減る恐れ(Bloomberg.co.jpから引用)

ヨーロッパのお金頂戴キャンペーンは追加公演も開催するようだ。

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4月23日(ブルームバーグ):オランダのルッテ首相は前倒しの総選挙を実施する見込みだ。一段の歳出削減を盛り込んだ予算を早期に成立させオランダをユーロ圏債務危機から切り離すことが目的だが、そうはいかない恐れがある。

首相が23日にハーグで閣議を開き、予算案の議会通過の方法を模索したが、オランダ国債は下落している。予算をめぐる週末の野党との協議は不調に終わった。政府の閣議後の発表によると、首相はこの日午後ベアトリクス女王に面会する。首相は21日、同首相が率いる少数連立政権が自由党(PVV)の閣外協力を失った後、選挙は「明白なシナリオだ」と発言していた。

オランダの政権崩壊はユーロ圏債務危機への対応をさらに複雑にする。スペインの財政赤字問題を背景に、危機に対応するユーロ圏の資金力への不安があらためて高まっているからだ。前倒し総選挙の場合、時期は恐らく9月になる。それまで現政府は暫定政権として緊縮財政策の議会通過に向け野党からの協力取り付けを模索することになる。

コメルツ銀行エコノミスト、マルコ・ワグナー氏は「その間、政府は重要な改革を議会に承認させることはできないだろう」とし、「従って、国内総生産(GDP)の3%という財政赤字目標は2013年に達成されないことになり、オランダのAAA格付けは脅かされる」と解説した。

複数のメディアはルッテ首相が内閣総辞職の意向を女王に伝えると報じた。現地時間午後0時16分現在、10年債利回りは7ベーシスポイント(bp、1bp=0.01%)上昇の2.39%。ドイツ債との利回り格差は一時、2009年3月以来で最大の75bpに達した。

13年の財政赤字は現在、GDPの4.6%と予想されている。これを欧州連合(EU)規定の上限である3%とするために政府は歳出を少なくとも95億ユーロ追加削減する必要がある。債務削減計画は4月30日までにEU当局に提出しなければならない。

野党・労働党(PVDA)は21日、9月の総選挙を条件に13年予算策定に協力する方針を示した。前回の総選挙は10年6月。次回は15年の予定だった。

選挙になれば欧州債務危機への対応が主要な争点になるだろうと、アムステルダム大学のメインダート・フェネマ政治学教授は22日のテレビインタビューで述べた。

モーリス・デホンド氏とノー・タイズが21日遅くから22日にかけて実施した調査によると、回答者の44%は予算協議の頓挫を歓迎し、遺憾という回答は37%だった。調査の誤差率は公表されていない。

格付け会社スタンダード・アンド・プアーズ(S&P)は1月13日にオランダの格付け見通しをネガティブとし、12年か13年に格下げされる確率が少なくとも3分の1あるとしている。

記事に関する記者への問い合わせ先:アムステルダム Fred Pals fpals@bloomberg.net;アムステルダム Martijn van der Starre vanderstarre@bloomberg.net

記事についてのエディターへの問い合わせ先:Tim Quinson tquinson@bloomberg.net
更新日時: 2012/04/23 21:05 JST
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