政府・日銀一体となりデフレ脱却の出口見える1年に=安住財務相(REUTERSから引用)

原田武夫がいうように官制相場が準備されているようだ。

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[東京 11日 ロイター] 安住淳財務相は11日、ロイターなどのインタビューに応じ、月内の追加緩和観測が強まっている金融政策に関連して、日銀のデフレ脱却に向けた強い意志を指摘し、適時適切に対応してくれると思うと追加緩和に期待を示した。

また政府・日銀一体となって、「デフレ脱却の出口が見える1年、その前半にしたい」とし、今年度予算の執行が始まる4月を重要な月と位置付け、この好機をとらえ政府・日銀でデフレ脱却を後押しする考えを強調した。

日銀法改正や政府・日銀間の政策協定(アコード)の是非については、現行法で十分意思疎通は可能とし、性急な日銀法改正論に慎重な見方を示した。

一方、1カ月ぶりに1ドル80円台を付けるなど円高が再燃していることには「重大な関心を持ち、日々ウオッチしている」としながらも、日々の動きに一喜一憂しない考えを強調。「トレンドをみて対応していきたい」と語った。

インタビューの概要は以下の通り。

──月内の追加緩和観測が高まっている。金融政策への期待は。

「昨日の白川総裁会見では、2月14日に決めた10兆円の緩和策が、現実にどういう風にデフレ脱却に向けて政策効果があったかについて様々なデータを分析し、今月末までにそれをベースにまた協議するとの結論だった。(事実上のゴールとして)消費者物価上昇率1%めどを明確に打ち出し、その目的に向って経済が動いているかを、この2、3週間かけて様々なデータを集めて分析すると言っている。これは、いままでの「理解」とは違う。デフレ脱却への強い意志は会見からも十分伝わった。日銀が(政策を)出し渋っているということではない。デフレ脱却、経済活性化に有効であるかについて見極めていただいて、月末の会合に臨んでいただければと思う」

──与党内には、政府・日銀間の協定(アコード)を求める声もある。
「現状のなかで、日銀とは十分なコミュニケーションをとり対応していくことを基本としたほうが良い。法改正などいろいろな動きが出ているが、日銀の独立性もある。日銀も野田佳彦首相始め、財政当局と緊密な連絡を取り合っている。政治の側から動きがあるのは認識しているが、現行法のなかで十分対応できる」

「国会にはいろいろな意見がある。国会での意思も踏まえて、日銀は2月14日に思い切った金融緩和措置をとった。方向性や認識において日銀総裁の意見は、われわれと大きくかい離したものではない。適時適切に対応してくれると思っている」

「あえて法律改正したり日銀を縛ることをしなくても、十分意志疎通は出来る」

──政府の国家戦略会議でデフレ脱却に向けた閣僚会合が設置された。政府のデフレ脱却に向けた方策は。

「4月は、前半の(経済の)流れを決定付ける重要な月になる。日本経済の実態は悪いわけではない。復興需要も本格化してきた。予算も成立した。財政出動も伴ってくるので、企業収益の改善は十分見込まれる。デフレ脱却のための関係閣僚を中心としたチーム設置も、デフレ脱却を加速させること。財政・金融面で日銀と一体となって、デフレ脱却の出口が見える1年、その前半にしたい」

「日本経済全体が動き出す好機だ。この好機をとらえて、本予算が出てきているので、さらに弾みをつける何かをしなければならないということで国家戦略のなかで作戦を考えようということだ」

──日銀がゴールとする消費者物価上昇率1%達成時期の見通しは。

「昨年は前半に東日本大震災があり、後半はタイの洪水、欧州危機など重層的危機(の年)だった。今年は、日本経済だけをみれば、昨年の挽回ができる環境は財政面でも整えたつもりだ。日銀も強い意志をもって態度を示したと確信している。早い段階での達成も見込めるのではないか。為替や原油高など、外的要因があるので注意は必要だが、日本のファンダメンタルズは悪くない。期待している」
──円高が再燃し、1カ月ぶりに1ドル80円台で推移している。

「為替については重大な関心を持ち日々ウオッチしている。ただ、日々そのことで、悲観したり楽観はしない。トレンドをみて対応していきたい。もちろん、日本経済に与える為替の影響は十分認識している。私だけに限らず、日本銀行も十分な関心をもってみていると思う」

「日々の動きにコメントすることは控える」

──IMF資金基盤強化について。20日ワシントンで開催されるG20までに対応決定する考えは。

「欧州のファイアーウオールの評価はいろいろある。私としても100%満足かと言われれば、さらに努力が必要ではないかとの気持ちは持っているし、欧州側にはそれを伝えている。しかし、一定の前進をみたのは明らかだ。スペインの問題が出てきているので注意深い監視は必要だが、(IMF拠出については)今週に入って、どういう対応をしていくか、関係国と、実務的な、またハイレベルな立場で具体的に協議に入るつもりだ」

「できればワシントンの会議までに、中国はじめ関係国と十分な協議をしたのちに日本の立場を表明できればよいと思っている。現時点で、ワシントンでどういう対応をするかは決まっていないが、本格的な調整には入りたい」

──消費増税法案の審議入り時期は。

「谷垣自民党総裁、山口公明党代表からも早期の審議入りを求める声が出ていた。近々、総理を始め、党の幹部で協議していただき、今月中の審議入りを是非実現させてもらいたい」
──消費増税法案の通常国会での成立のめどについて。

「あの難しい郵政法案も政党間協議で成立の方向が見えてきた。きょうの党首討論をみても、当面10%(への引き上げ)は谷垣自民党総裁も認めていた。山口公明党代表も消費税については全く否定していない。コンセンサスを作る十分な環境は整っている。4月に審議入りすれば審議時間は十分確保できる。私は結論(成立)を得られると確信している」

──話し合い解散の是非は。

「話し合って解散した例は、日本の政治史上あまりない」

「政策論としては、消費税の問題は、社会保障にリンクするが、国際社会も注目していて、日本の国債市場にも関係する非常に重要で重い話だ。政局をからめてすべきでない。まずはこれをやること。日本の政治が機能不全に陥るかどうかの試金石だ」

(ロイターニュース 吉川 裕子)
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