日銀会合:金融政策を現状維持、全員一致 (Bloomberg.co.jpから引用)

FRBがいつQE3に前向きな発言をするのか。その他、円安となる事象が起きると株高、景気回復へ、となるのか。

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4月10日(ブルームバーグ):日本銀行は10日開いた金融政策決定会合で、全員一致で政策の現状維持を決定した。引き続き2月の追加緩和の効果を見極める構えとみられる。日銀はまた、成長基盤強化を支援するための資金供給に関連し、前回3月会合で表明した日銀保有の米ドル資金を用いた1兆円(120億ドル)の貸付枠の導入を正式に決定した。

ドル融資の貸付期間は1年で3回の借り換えが可能とし、金利はドル6カ月物LIBORとして半年ごとに見直す。金融機関ごとの上限は10億ドル。受付期限は2014年3月末。

政策金利は0−0.1%に維持。資産買い入れ等基金のうち長期国債やリスク資産の購入を30兆円、固定金利方式の共通担保オペを35兆円の計65兆円に据え置いた。日銀は2月14日会合で、消費者物価指数(CPI)の前年比上昇率1%が見通せるまで強力に金融緩和を推進していくと表明。10兆円の長期国債買い増しを決めた。

日銀は会合終了後の公表文で、足元の景気は「なお横ばい圏内にあるが、持ち直しに向かう動きがみられている」として、前月の「持ち直しに向けた動きもみられているが、なお横ばい圏内にある」との判断を若干前進させた。先行きについては「緩やかな回復経路に復していく」との見方を維持した。

米国の追加緩和観測も後退

日銀企業短期経済観測調査(短観)では、大企業・製造業の業況判断DIがマイナス4と前回調査から横ばいにとどまった。しかし、バークレイズ・キャピタル証券の森田長太郎チーフストラテジストは「製造業の構造的な下押し要因(中国減速、電気機械不調)が見えた半面、非製造業の前向きな投資意欲が確認された」と指摘。12年度の日本が内需主導の景気回復パターンに入ることを示唆しているとし、日銀の景気判断についても「上方修正を促すような内容」と指摘する。

SMBC日興証券の岩下真理チーフマーケットエコノミストは会合前、「3月13日の米連邦公開市場委員会(FOMC)議事録公表により、市場での米国の追加緩和期待が後退したことから、あえて日銀が先に追加緩和をする必要性はないだろう」と指摘していた。

一方で、27日に開く今月2回目の会合で追加緩和が行われるとの見方は増えている。日銀は同日、経済・物価情勢の展望(展望リポート)で2012、13年度の消費者物価指数(除く生鮮食品、コアCPI)前年比上昇率の見通しを示す。日銀が1月の中間評価で示したコアCPI前年比の見通し(委員の中央値)は12年度がプラス0.1%、13年度がプラス0.5%だった。

27日の追加緩和がメインシナリオ

みずほ証券の上野泰也チーフマーケットエコノミストは日銀が新たに示す13年度の見通しも「1%が『見通せる』とは言い難い数字にとどまるだろう」と指摘。「展望リポートに合わせた4月27日会合での追加緩和(資産買い入れ等基金を5兆円増額)が現時点ではメインシナリオ」と指摘する。

東短リサーチの加藤出チーフエコノミストも「民主党消費税法案が13年度の成長を名目3%、実質2%という努力目標を盛り込んだことから、日銀は積極性な緩和姿勢を継続的に見せる必要がある」と指摘。27日の会合で「資産買い入れ等基金を5−10兆円増額する可能性はある」と予想している。

白川方明総裁は午後3時半に定例記者会見を行う。議事要旨は5月7日に公表される。

金融政策決定会合、金融経済月報などの予定は以下の通り。

会合開催 総裁会見 金融経済月報  議事要旨
4月27日 4月27日 − 5月28日
5月22、23日 5月23日 5月24日 6月20日
6月14、15日 6月15日 6月18日 7月18日
7月11、12日  7月12日   7月13日  8月14日
8月8、9日  8月9日   8月10日  9月24日
9月18、19日  9月19日   9月20日 10月11日
10月4、5日 10月5日 10月9日 11月2日
10月30日 10月30日  − 11月26日
11月19、20日 11月20日 11月21日 12月26日
12月19、20日 12月20日 12月21日  未定

総裁会見は午後3時半。金融経済月報は午後2時、経済・物価情勢の展望(展望リポート)は4月27日。議事要旨は午前8時50分。

記事に関する記者への問い合わせ先:東京 日高正裕 Masahiro Hidaka mhidaka@bloomberg.net

記事に関するエディターへの問い合わせ先:東京 大久保義人 Yoshito Okubo yokubo1@bloomberg.net香港 Paul Panckhurst ppanckhurst@bloomberg.net
更新日時: 2012/04/10 12:22 JST
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