ユーロ圏財務相、民間債権者に一段の譲歩要求−ギリシャ債務交渉で(2(Bloomberg.co.jpから引用)

ドイツの思惑通りに事が進むか。日本の国会と合わせて、これから要注視。

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1月24日(ブルームバーグ):23日にブリュッセルで開かれたユーロ圏財務相会合は、2年間にわたる欧州債務危機の打開に向け、ギリシャ国債保有者に一段の譲歩を求めた。ギリシャへの公的資金の追加拠出の決定には踏み切らなかった。

  ユーロ圏財務相会合のユンケル議長(ルクセンブルク首相兼国庫相)は会合終了後の24日未明に記者団に対し、「ギリシャの計画が軌道を外れているのは明白だ」と指摘。ギリシャ債務交換後の新発債の表面利率について、民間債権団が主張する平均4%を取り下げるよう要請した。

  ユーロ圏各国政府は、昨年10月に合意した1300億ユーロ(約13兆円)規模の第2次ギリシャ支援策を引き続き支持。債務交換後の新発債の利率引き下げを投資家に求めることにより、予想を上回るギリシャ財政赤字の削減を狙っている。

  ギリシャの債務削減交渉の難航により、新たな財政ルールと救済基金拡充に向けた進展が脅かされており、危機対応戦略に対する信頼が再び揺らぐとともに、来週の欧州首脳会議の見通しにも暗雲が垂れ込めている。

  またギリシャと債券保有者の合意は、3月20日に145億ユーロの国債の償還期限を迎えるギリシャへの第2次金融支援にとっても重要な意味を持つ。

「交渉結果出ていない」

債務交換協議で、債権者側が提案を行った後、交渉は難航し、ユーロ圏財務相会合は対応に追われた。民間債権者を代表する国際金融協会(IIF)のダラーラ専務理事はアンテナTVに対し、債券保有者側が「最大限」の案を出したと説明した。

  オランダのデヤーヘル財務相は記者団に対し、「交渉は何らかの結果につなげる必要があるが、結果は出ていない」と発言。債権者側の提案に従えば、2020年のギリシャの債務は対国内総生産(GDP)比で目標の120%どころか、125%を「大幅に上回る」見通しだと指摘した。

  ユンケル議長は、既発債と交換する年限30年の新発債の表面利率は2020年以前については3.5%未満とし、30年間の年限いっぱいでは4%未満にすべきだと述べた。

  債務交換交渉が合意に至らなかったことなどが要因となり、2年物ギリシャ国債の利回りは23日の欧州債市場で206%と、過去最高を更新した。

ESM調印

ドイツの圧力により、財政協定を法制化しない国は、恒久的な救済基金である欧州安定化メカニズム(ESM)の支援対象から外される見通し。この日の財務相会合では、支援手続きに関してフィンランド案を受け入れた後に、予定を1年間前倒ししてESMを7月に稼働させることで合意した。

  欧州財務相は、2月20日にESM条約に正式調印する。その後、各国議会で条約の批准が行われる。

欧州1位の経済大国、ドイツは欧州金融安定ファシリティー(EFSF)が失効する13年半ばまでに、残る融資能力を全て実行することを認めるとこれまでになく強く示唆した。ESMとEFSFを合わせれば、危機対応能力は7500億ユーロとなる。ドイツはこれまで、合計の融資能力を5000億ユーロに限定する案を支持してきた。

記事についての記者への問い合わせ先:James G. Neuger in Brussels at jneuger@bloomberg.net;Josiane Kremer in Brussels at jkremer4@bloomberg.net

記事に関するエディターへの問い合わせ先:James Hertling at jhertling@bloomberg.net
更新日時: 2012/01/24 12:21 JST
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