経産相が東電社長に国有化を示唆、「公的管理含め検討を」と指示(REUTERSから引用)

立場が変わっても、枝野氏が絡むと東電株は上下する。なんか変。

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[東京 27日 ロイター] 枝野幸男経済産業相は27日、東京電力(9501.T: 株価, ニュース, レポート)の西沢俊夫社長らを呼び、来年3月に東電が策定する「総合特別事業計画」に関連して、「一時的な公的管理を含め、あらゆる可能性を排除せず検討してほしい」と指示した。

この後の記者会見で枝野経産相は公的管理の具体的な内容には言及しなかったが、国による資本注入を通じた事実上の東電国有化を示唆したものとみられる。

枝野経産相は面談で「万全な事故処理、廃炉処理、迅速な賠償のためには、東電の財務基盤を抜本的に強化しなければならないと思う」と強調した。これに対し西沢社長は「総合特別事業計画は大臣の指示の内容を踏まえ策定していきたい」と答えた。

枝野経産相は記者会見で、「一時的な公的管理」が、政府と電力会社が設立した「原子力損害賠償支援機構」を通じた国による東電への出資を意味するかとの質問に対し、「選択肢の可能性として申し上げたもので、あらゆる選択肢の中の一つで、それ以上のことを申し上げる段階ではない。機構と東電で真摯に協議してほしい」と語った。

<料金値上げ、国民の信頼とセット>

枝野経産相は、電気料金の値上げについても西沢社長に注文を付けた。東電は来年4月以降に企業向けなど自由化対象の電気料金の値上げを実施する意向のほか、経産相の認可が必要な家庭など小口需要家向けの電気料金も早期の値上げを目指している。枝野経産相は西沢社長に対して「値上げは電気事業者の権利だという考えはないと思うが、万が一あれば改めていただきたい」と強調した上で、「料金改定(値上げ)は新しい東電に対する国民の信頼とセットでなければならない」と語った。

西沢社長は、企業向けの値上げ方針を発表した今月22日の記者会見で、安定供給の観点で値上げは「義務というか権利」と発言しており、枝野経産相は面談でくぎを刺した格好だ。西沢社長は面談後、値上げに関する発言について「説明不足だった」と記者団に弁明した。同行した支援機構の下河辺和彦運営委員長は、来年春の段階での家庭用の値上げについて「なかなか難しいのでは。枝野経産相としては(値上げは)厳しい受け止めだと思う」と述べた。

発送電分離も議論へ>
また枝野経産相は、同日開催された政府の「電力改革及び東京電力に関する閣僚会合」で電力改革に関する論点整理案を提出し、了承された。同案は、経産相が省内に有識者を招いて議論した内容を取りまとめた。エネルギー政策の見直しを進めている政府の「エネルギー・環境会議」などと並行して、総合資源エネルギー調査会経産相の諮問機関)総合部会の下に「電力システム改革専門委員会」を設置し、検討を進める。

同案では、原発事故などにより大規模な計画停電をもたらした東日本大震災によって、「自家発電を活用する必要が生じたが、需給ひっ迫に応じて一斉に自家発電を稼動させるメカニズムがなかった」などと、現行の電力供給システムの課題が明らかになったと指摘。今後の目指すべき電力システム改革として「需給ひっ迫時に需要抑制や供給促進のインセンティブが働く電力市場の形成」に着手すべきとした。

こうした市場形成に向けて同案は「送配電部門の中立化を行うべき」と、いわゆる「発送電分離」の検討の必要性を指摘した。具体的な方法として、1)送配電部門と発電などその他部門の会計的な分離、2)送配電部門と発電部門を持ち株会社の傘下におく「法的分離」、3)送配電部門と発電部門を資本的に分離する「所有分離」──などに類型化した。

枝野経産相は同案の狙いについて「発送電分離をしても安定供給できるシステムがあり得るだろうし、(現状の)発送電一体供給でも計画停電で大変な迷惑をかけた。緻密で問題のないシステムをどう作るかを議論していく」と語った。

(ロイターニュース、浜田健太郎)*電力改革に関する経産省の論点整理などの記述を追加しました。
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