一部金融大手がユーロに強気、GSは年内の1.45ドルへの上昇予想(WSJ日本版から引用)

ヨーロッパ各国をアメリカの各州とすれば、アメリカ合衆国EU連合となる。ということは、米国債に相当するEU債は、まだまだこれから発行できる可能性がある。アメリカ各州の債券がよEU各国の債権と同じステージという見方もある。

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 【ロンドン】ゴールドマン・サックス・グループやHSBCホールディングスなど外為業務で大きな存在感を示す一部の金融機関が、ユーロが大幅に上昇するとの見方を変えていない。

 ギリシャ債務不履行(デフォルト)に対する懸念の高まりから、外為市場ではこの数日、ユーロを売る動きが強く、ユーロの対ドル相場は12日に一時、7カ月ぶりに1.35ドルを割り込んだ。欧州中央銀行(ECB)が政策金利の引き下げに転じる可能性があるとの見方もセンチメントを悪化させた。アナリストの多くは、ユーロ相場の見通しの引き下げを検討している。

 一方、一部のストラテジストは、ユーロの大幅な反発を予想する。米国の債務問題の深刻さが欧州の問題を上回るとみているためだ。ゴールドマンは、状況に大きな変化がない限り、ユーロの対ドル相場は年末までに1.45ドル、来年3月末までに1.50ドルに上昇する可能性があると予想する。

 ゴールドマンは、ユーロ危機が和らぐ一方、米連邦準備理事会(FRB)は一段の金融緩和に踏み切る可能性があるとの見方を示し、顧客ノートで、ユーロが終値ベースで1.35ドルを下回った場合に限り、ユーロ買い推奨を取り消すとしている。

 ゴールドマンのストラテジスト、トーマス・ストルパー氏は「潜在的なドルの弱さがこの相場見通しの背景にある。最近のリスク回避の動きがドルを押し上げているが、これが潜在的なトレンドに対する見方を変えることはない」と述べた。

 ほかの金融機関は、ユーロに対してこれほど強気ではない。ソシエテ・ジェネラルは先週、ユーロが1.39ドルを割り込めば信頼感低下のサインとなり、「急速に」で1.30ドルまで下落する可能性がある、としていた。

 UBSやJPモルガン・チェースモルガン・スタンレーは、ユーロが7カ月ぶりの安値を付けたことから、年末の相場予想を見直していると表明した。

 UBSは、ユーロが年末までに1.35ドルで取引されると予想。JPモルガンはユーロに対してもっと強気で、1.45ドルを付けるとみる。モルガン・スタンレーは年末までに1.36ドルになるとの見方を示す。

 モルガン・スタンレーの通貨ストラテジー・チームは12日付のノートで「欧州での不透明感の高まりが引き続き、ユーロを圧迫するとみる。この結果、われわれはユーロ相場の予想を、引き下げの可能性をもって見直している」と表明した。

 ドイツ銀行はすでにユーロの先行きに悲観的で、年末の相場予想の1.30ドルを「大きく修正」する可能性は低い、とした。

 バークレイズ・キャピタルは、現時点では年末の予想レベルの1.46ドルを維持するとしたが、通貨アナリストのポール・ロビンソン氏は、「修正を常に検討している」と述べた。

 HSBCのチーフ為替ストラテジストのデービッド・ブルーム氏は、抜本的な変化は何もなく、予想を変える理由はない、と述べた。

 ブルーム氏は、状況に変化が生じておらず、ユーロは年末までに1.44ドルで取引されるだろう、と語った。

 同氏は「今起きているのは、輪番制のソブリンリスクであり、昨年もまったく同じことが起きた。われわれは予想を維持し、正しさを立証した」と述べた。HSBCは昨年のユーロの動きを正しく言い当てた数少ない大手金融機関の1つ。

記者: Eva Szalay and Jessica Mead
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