大手銀に東電リスク再浮上、枝野経産相が負担求める発言(REUTERSから引用)

枝野幸男氏が発言すると東電株が下がる。下がると、別のところから別の声が聞こえてきて・・・・

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[東京 13日 ロイター] 枝野幸男経済産業相が13日午前の会見で、東京電力(9501.T: 株価, ニュース, レポート)が政府の支援を受ける際には、株主や取引銀行に一定の負担を求める姿勢を示したことで、改めて東電株や大手銀行の貸出債権がき損するリスクが浮上してきた。

 12日に設立された「原子力損害賠償支援機構」に対して、東電は資金繰り支援を求める見通しだが、今後、具体的な負担の中身が焦点になりそうだ。

 枝野経産相は会見で、原子力損害賠償支援機構法の目的について、1)原発事故の収束、2)被害者に対する賠償、3)電力供給の確保―の3点を挙げたうえで、「支援の目的に、債権者・株主の保護は入っていない。支援がなかった場合に生じたであろう負担については、当然負担していただく」と述べた。「負担」の具体的な中身については言及しなかった。

 東電は福島第1原子力発電所の事故による賠償金がどれほど大きく膨れ上がったとしても、支援機構による資金繰り支援や増資引き受けなどで債務超過を免れることができる。枝野経産相は「市場のルールを超えて他のステークホルダーが利益を受けることになってはいけない」とも語っており、債務超過に陥った場合には、優先劣後関係に従って株式は100%減資、社債や貸出債権は一定の範囲でき損するという原則を念頭に置いた発言と読み取れる。

 東電は銀行各行から震災後に1.9兆円の緊急融資を受けており、それ以前にも約2兆円を借り入れている。大手行では、メーンバンクの三井住友銀行が約9300億円、みずほコーポレート銀行などみずほフィナンシャルグループ(8411.T: 株価, ニュース, レポート)が6800億円、三菱東京UFJ銀行など三菱UFJフィナンシャル・グループ(8306.T: 株価, ニュース, レポート)が約4300億円の貸出残高を持っている。

 支援機構法について、銀行側には「マーケットに安心感を与えることも大事」(奥正之三井住友フィナンシャルグループ(8316.T: 株価, ニュース, レポート)会長)との見方から貸出債権などへの影響はないとの認識があった。それだけに、ある幹部は「減資や債権放棄を求めるとするならば、市場にとってはサプライズ。金融市場が動揺しかねない」と枝野発言に憤りを隠さない。

 東電は今後、資産売却などの経営合理化策を盛り込んだ特別事業計画を作り、認可を得たうえで、支援機構(理事長:杉山武彦・前一橋大学長)から資金支援を受けることになる。ある政府関係者は「資金支援を受けるタイミングで、株主や金融機関の負担問題が火を噴く可能性がある」と指摘している。

(ロイターニュース 布施太郎)
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