【社説】米国防長官、NATOを「非力な同盟」と認識(WSJ日本版から引用)

日本とは逆に、EUアメリカに軍隊とお金を出させている。日本駐留の米軍は、日本にお金を出させて生活している。本国に帰る場所も予算もないのだろう。何れ、グアムやハワイなどに帰っていくだろう。でも帰ったら失業する兵隊もいるのだろう。

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ゲイツ米国防長官は、退任を前に爆弾を落としている。10日に行った演説でその標的となったのは、北大西洋条約機構NATO)の同盟関係だ。防衛費にわずかしか費やしないため、共同での軍事行動がうまく行えない。そのため、カダフィ大佐のような非力な独裁者に対して11週間軍事行動をとっているにもかかわらず、打倒できていないと、ゲイツ国防長官は話した。
ゲイツ国防長官はリビアに関して、28の加盟国がすべて軍事行動に賛成したにもかかわらず、「3分の1以下の国しか攻撃に参加しようとしていない」と嘆いた。「傍観している国々は、参加したくないから傍観しているのではなく、単純に参加できない。それらの国々には軍事的な余力がない」という。空爆に参加している国々も、「弾薬が不足し始めている」
 つまり、欧州の国防費削減がNATOを弱体化させるであろうという予測が、現実になり始めているということだ。NATOは今では「非力な同盟」になっていると、ゲイツ国防長官は話した。米国が防衛支出の75%を負担し、残りの25%は米国以外の27カ国で払っている。同盟国が負担すべきとされているGDPの2%以上をNATOに支出しているのは、英国、フランス、ギリシャアルバニアだけだ。米国はイラクアフガニスタンの費用を含めて、4.7%を支出している。
 これは「受け入れがたい」ことであり、こうした隔たりが続くようなら、議会や米国の政界はいずれ、NATOへの支出を続けるに対する意欲を失うだろうと、ゲイツ国務長官は述べた。アメリカ側からのこのような警告はこれまでにも発せられ、無視されてきた。しかし、財政的な制約や債務の問題が拡大しつつあり、またイランの核問題や中国の台頭なども存在する今の時代において、アメリカが永遠に防衛費を負担し続けるとは、欧州は考えないほうがいいだろう。
 米国にとっては、欧州の防衛面での衰退は「ゆりかごから墓場まで」を保証しようとする国がどうなるかを示すものと言える。そうした国々はやがて、自国を守る資金がないことに気づくか、払いたくないと考えていることに気づくのである。
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