イラク、石油産出増に向け大胆な計画を発表(ウォ−ル・ストリート・ジャーナル日本版から引用)

こんな記事が出るということは、そろそろ原油高も一息つくのかもしれない。しかし、アジアが成長すれば、必要な石油となる。
もう少しすれば、石油よりも天然ガス原子力よりも風力、自動車は電気が中心、という世の中に移っていく。
太陽電池が自動車の屋根材にもなれば、相当普及するだろうな。
たとえば、1,000㎡以上の建築物には、自家発電機を備えなければいけない、という法律を議員立法で作れば、景気刺激策にもなる。新築は必須にし、既存建物には数年の猶予を与えれば結構な需要を作れるはず。経済産業省は反対だろうけど、作り保守運用し得られる電力よりも廃棄コストが高いというか方法がない原子力は論外だ。子孫に毒を残すのは愚かだ。但し、一部企業等が持っている研究用の原子炉は温存すればよいのではないか。

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【アンマン(ヨルダン)】イラク石油省は、同国の原油産出能力を2014年末までに現在の日量260万バレルから約650万バレルに引き上げる新たな計画を発表した。 
 計画ではまた、天然ガスの生産能力を現在の日量17億立方フィートから45億立方フィートに、石油の精製能力を現在の日量52万3000バレルから70万バレルに、輸出能力を昨年実績の日量189万バレルから565万バレルにそれぞれ引き上げることも目標にしている。計画は数日以内に内閣に提出される。 
イラク最大の精油所を訪れたシャハリスタニ副首相(左)とルアイビ石油相(中央)(21日、イラク・バイジ)
 この計画は世界最大級のイラク油田の掘削能力を向上させるため、政府がこの1年4カ月間で国際的な大手企業と結んだ15件の石油・天然ガス契約に基づいている。
 イラクは推定1430億バレルという世界第3位の確認埋蔵量を持つ油田の上に位置している。しかし、同国は03年の米国主導の侵攻以前に実施された制裁や戦争の影響を受け、生産量の増加に苦しんできた。また、侵攻後の略奪や過小投資、政治的なこう着状態も開発を鈍らせた。
 しかし昨年、国際的な石油大手企業がイラクの産油量を増やすために巨額の投資を始め、勢いが加速し始めた。石油省は今年に入って、イラク南部の油田の生産能力が日量30万バレル増えたと発表しており、アブドゥル・カリム・ルアイビ石油相も「これらの契約により、生産能力がいずれ日量1150万バレルに届くことを期待している」と述べている。
 しかし、一部の観測筋は同国の公式予測が非現実的との見方を示しており、治安の悪さや貧相なインフラ、政情不安によって開発は遅れるだろうと指摘している。
 ロンドンに本拠を置くKBCエナジー・エコノミクスのシニアアナリスト、ジャン=リュック・エーモス氏は「2014年までに日量650万バレルというのは野心的過ぎる」と述べ、「その目標達成を2015年〜20年の間とするのがより現実的だ」と語った。
 イラク原油産出量を増やすのにもう1つ不可欠なのは、巨大な南部油田の圧力を維持するために大量の水を注入するプロジェクトだ。石油省はまだこれに本格的取り掛かっていない。大油田である「ウェスト・クルナ・フェーズ1」油田開発契約を受注したエクソン・モービルがシステム構築の方法を模索する委員会を主導している。このシステムは日量1000万バレルもの海水を使用するとみられている。
 また、輸出能力のなさも産出増の妨げになっている。イラクには目標の輸出ができるほどの施設がない。エーモス氏は「他国に販売するための輸出施設がないのに、なぜそんなに原油を産出しようとするのか」と述べる。
 ルアイビ石油相は増える産出量に対応するための輸出施設の拡充に取り組んでいると述べている。年末までにバスラ沖に日量80万バレルの輸出能力がある2基の海上積載ターミナルが完成する予定だ。現在のバスラからの輸出は日量175万バレルが上限だという。トルコのジェイハン港につながるパイプラインの輸出能力は日量65万バレルだが、ほぼ毎月のように反政府勢力の襲撃を受けている。

記者: Hassan Hafidh

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