ヤンマーがアサリ養殖システム…餌培養に新技術(YOMIURI ONLINEから引用)

ヤンマーエライ。流石、船舶やそのエンジンで定評があるが、海のものの研究をしていたのか。
アサリの味噌汁大好きだ。

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漁獲量が激減している国産アサリの復活へ向け、農機大手のヤンマーが、餌となる栄養豊かな植物プランクトンを大量生産し、良質なアサリを完全養殖するシステムの開発に成功した。
 従来の砂浜や干潟にまくだけの方法と違い、稚貝を入れた容器を海中につり下げて育てる。砂底で汚染物質を吸い込むことなく、安心安全で身の詰まった親貝に育つ仕組み。2015年に現在の国産アサリの漁獲量の4分の1に当たる年間9000トンの生産を目指す。
 ヤンマーはこの養殖システムで11年後半にも始まる環境配慮型養殖の国際認証「ASC認証」の世界初の取得を目指す。
 新システムの柱は、植物プランクトンを大量生産する培養槽だ。二酸化炭素や光量をコンピューターで制御し、貝の成長に必要な脂肪酸を多く含む餌に育てる。これを食べた稚貝は元気に育ち、卵から親貝になるまで通常2年かかるのが1年で済むといい、漁獲量が増やせる。人工孵化(ふか)で育てた親貝から卵を取り、また親貝に育てる完全養殖なので、天然資源の保護にもつながる。今春から、大分県の研究場で育てた稚貝を愛媛、熊本両県の真珠養殖場などで実験的に育て、10月には市場に出荷できる大きさになった。
 経営難に苦しむ真珠の養殖業者らに、ノウハウを生かせるアサリ養殖への転換を勧め、養殖業の衰退防止にも結びつける考えだ。
 国産アサリは天然の稚貝を採り、養殖場で育てる手法が主流。水質汚濁などで生息地が減り、外来種の貝に食い荒らされる被害が続き枯渇も懸念される。消費者には市価で3割程度安い中国産の方がよく売れ、国産は6割まで落ちた。08年の生産量は3万9000トンでピーク時の1983年の4分の1の水準にすぎない。
 養殖に詳しいアミタ持続可能経済研究所の伊沢あらた上級研究員は「天然資源の枯渇は世界的な問題で、養殖業の重要性は増す。生産方法がはっきりわかる新システムは消費者に喜ばれるだろう」と話している。

 ◆ASC認証=乱獲を防ぐなど「海にやさしい漁法」で取った水産資源にお墨付きを与える「海のエコラベル(MSC認証)」の養殖版。環境保護団体「世界自然保護基金(WWF)」などが、エビ、サケなど9種類を対象に策定を進めている。

(2010年12月5日20時51分 読売新聞)
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