米経済指標:識者はこうみる(REUTERSから引用)

この記事内容のとおり新規失業保険申請件数の減少が正しければ、ドル安によりアメリカ経済が、少しはましになったといえる。しかし、景気回復というには、もうちょっとドル安(対円や元)にならないと難しいかな。

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[ニューヨーク 9日 ロイター] 米労働省が発表した4日終了週の新規失業保険申請件数は45万1000件と前週から2万7000件減少し、7月10日終了週以来2カ月ぶりの水準に改善した。また、米商務省が同日発表した7月の貿易統計は、赤字額が428億ドルと、前月から14%減少しエコノミスト予想の中間値473億ドルを下回った。
 市場関係者のコメントは以下のとおり。
●減速は予想ほど深刻化しない可能性
 <4キャストのエコノミスト、デービッド・スローン氏>
 総じて良好な内容だった。週間の新規失業保険申請件数は予想よりもかなり改善、7月の貿易赤字も予想以上に縮小し、第3・四半期の国内総生産(GDP)が弱まるリスクは低減した。新規失業保険申請に関して、特殊要因はないとおもわれる。
 経済の軟調局面が多少ながら底堅くなりつつあることがうかがわれ、心強い内容といえる。われわれは当初、経済が第3・四半期に減速した後、第4・四半期に持ち直し始めると想定していたが、第3・四半期の減速は予想ほど深刻化しないかもしれないというのが現時点での見方だ。
 回復の力は依然として弱いが、これまでの二番底懸念は行き過ぎていたきらいがある。第4・四半期にかけては慎重ながらも楽観的にみている。
●下期経済見通し上振れも
新規失業保険申請件数の減少は、8月に見られた増加が一時的である可能性を示している。米経済にとって非常に明るい兆候であり、下期の経済見通しに対し、いくらかの上向きリスクがある可能性を示唆している。
 貿易統計は引き続き、(赤字が)概して拡大傾向にあるが、第2・四半期末からは改善している。(外需は)第2・四半期に成長の大きな抑制要因となったが、第3・四半期は成長を若干支援する公算が大きい。
 市場は成長への明るい兆候と受け止めるだろう。回復はとん挫しておらず、成長継続が最も可能性の高いシナリオだ。
●米経済の大幅な減速懸念を払しょく
 <フォレックス・ドット・コムの首席ストラテジスト、ブライアン・ドーラン氏>
 7月の貿易収支が改善したことは、第3・四半期見通しに対するポジティブな要因で、米経済の大幅な減速懸念がある程度払しょくされた。
 週間新規失業保険申請件数は、(米経済が)正しい方向に向かっていることをさらに裏付けるものだった。同統計は夏の間は歪みが出ていたが、トレンドが変化している可能性がある。
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