円高、ロンドン一時83円台…15年ぶり(YOMIURI ONLINEから引用)

あともう一息か。

引用開始
円高・株安が止まらない。24日の東京外国為替市場の円相場は、一時、15年2か月ぶりの円高水準となる1ドル=84円45銭まで上昇した。
 東京株式市場も、日経平均株価(225種)の終値は前日比121円55銭安の8995円14銭と、約1年4か月ぶりに終値で9000円を割った。
 午後5時前に野田財務相が緊急記者会見を開いたが、有効な円高対策は示されず、ロンドン市場で15年ぶりに1ドル=83円台まで急騰し、政府・日銀の経済政策への無策ぶりを示すこととなった。
 「どこまで円高が進めば政府・日銀が焦るのか、市場は試しにかかっている」
 市場関係者は、前日の菅首相と日銀の白川方明総裁の電話会談で具体的な円高対策が示されなかったことを踏まえ、言い放った。
 政府の無策ぶりをクローズアップさせたのが、午後4時55分からの野田財務相の緊急記者会見だった。
 野田氏は、急激な円高・株安を「明らかに一方向に偏った動きだ」と論評した。だが、肝心の対応策は、「市場の動向には重大な関心を持って極めて注意深く見守っていきたい」と述べるにとどまった。記者団から為替介入の可能性を問われても、「コメントしない」と明言を避けた。
 日本政府は思い切った円高対策を打ってこない――。市場は、日本の為替介入への警戒感が薄れたと見て、会見直後に円は対ドルで急騰した。会見終了後、短時間で60銭近くも円高が進んだ。その後、ロンドン市場では一時、83円70銭台まで買われた。円高を食い止めるはずの野田氏の「口先介入」は、完全に裏目に出た。
 産業界からは、政府の無策ぶりに対する恨みの声が出ている。
 東京証券取引所の斉藤惇社長は記者会見で、「中国なんて堂々と介入している。スイスも2回くらいやっている。自分が生きるために必死なことをやるのは当たり前だ」と述べた。
 市場では、野田氏ら菅政権の円高に対する一連の発言について「注意深く見守るというのは、何もしないのと同じに受け止められた。しゃべらない方が良かった」(日興コーディアル証券の西尾浩一郎氏)との厳しい評価が広がっている。
(2010年8月24日21時29分 読売新聞)
引用終了