主要3行の14年3月期当期利益は‐16.6%、国債売買益の減少見込む(REUTERSから引用)

いましばらくしてから、一旦熱気が冷めるのかもしれない。

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[東京 15日 ロイター] 三菱UFJフィナンシャル・グループ(8306.T: 株価, ニュース, レポート)など主要3銀行グループが15日発表した2014年3月期の当期利益予想の合計は、前期比16.6%減の1兆8400億円となった。国債売買益の減少が主因となる。

金利が長期にわたって低水準で推移してきたことから、今後の金利上昇リスクを踏まえて国債価格の下落を見込むため。

三菱UFJは14年3月期の連結当期利益について、前期比10.8%減の7600億円を予想。会見した平野信行社長は、減益の主因を「国債売却益を中心とする市場部門の減少」と説明した。粗利で前期比2000億円減る見込みだという。平野社長は「ある意味、巡航速度に戻る」と述べた。傘下の三菱東京UFJ銀行の実質業務純益は8600億円の見通し(前期実績は1兆0015億円)としている。

平野社長は、貸し出しに関して、昨年の円高局面で日本企業が海外展開を積極化したことから、資金需要が出ていると述べた。一方、国内の法人貸し出しは「昨年半ばに底打ちした」(平野社長)としつつも、「(アベノミクスの)3本目の矢が詰められつつある中で、貸し出し需要がはっきり見えるほどまでに全企業ベースで(需要が)出てきているわけではない」(同)とした。

一方、みずほフィナンシャルグループ(8411.T: 株価, ニュース, レポート)も前期比10%減の5000億円と減益を見込む。こちらも、前期に好調の市場部門の業績を保守的に見たほか、傘下銀行の統合に伴う次期システムに関連したコストなどの経費も圧迫要因になると見込んでいる。

連結業務純益は、前年度比1021億円減少の8100億円を予想。会見した佐藤康博社長は、「ワンバンク化」にともなうシナジー効果や海外貸し出しの増強を進めて顧客部門は増益を見込むと説明した一方、「市場収益にとっては(業績への貢献度が大きかった)昨年度のようなことはない」との見通しを述べた。

株式等関係損益はゼロを見込むが、足元では市場の活況が続いており、相場動向次第では当期利益予想の上振れ要因となる可能性がある。貸出金の利回りは国内が右肩下がりの傾向が続くが、海外は「引き続き高い水準」(佐藤社長)だとした。

2013年3月期に税金負担減少の効果が利益を押し上げるなどして過去最高益を出した三井住友フィナンシャルグループ(8316.T: 株価, ニュース, レポート)は、14年3月期の連結当期利益を前期比27%減の5800億円と見通す。税金負担減少の効果がはく落することが大きな要因となる。

会見した宮田孝一社長は、市場部門の貢献も前期の「9掛け」(宮田社長)との見込みを述べた。このほか、グループの証券・消費者金融会社で「中長期的な体制整備のためのコスト投入がある」と説明した。

3グループによる2013年3月期の当期利益の合計は、前期比11.2%増の2兆2071億円だった。相場回復による株式等関係損益の改善や国債売買益が利益貢献した。

今年から新銀行規制「バーゼル3」の段階導入が始まっており、各行とも所要自己資本の確保を着実に進めている。完全実施基準では三菱UFJが11.1%となり「規制対応に十分な水準を確保した」としている。同じく三井住友は8.6%。みずほは、強制転換権付き優先株を加えた完全実施時ベースで8.29%となった。

(ロイターニュース 平田紀之)
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