シリアが強力な防空システム構築―米政府は対応に苦慮 (WSJ日本版から引用)

シリアに武器が集まって来ているようだ。そのうち、爆発、となるか。

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【ワシントン】米議会は、シリア政府軍が化学兵器を使用したとされることを理由に同国の内戦に介入するよう、オバマ政権に圧力を加えている。しかし同政権は、シリア政府軍が世界クラスの防空システムを構築したことから、対応を慎重に検討している。

 このシステムは、ロシアの防衛企業が秘密裏に構築・維持管理している。シリア軍が化学兵器を使用した可能性があるとの米情報機関の報告が公表されたのを受け、米政府は対応策の検討に入っているが、強力な防空網の存在が軍事介入の抑止要因になっている。

 民主、共和の両党の主要議員は28日、シリアに米軍を派遣して直接介入すべきではないとの立場を表明した。政府、議会ともイラクアフガニスタン戦争後にもう一つの中東紛争に関与することには慎重だ。ただ一部議員は、飛行禁止空域の設定や人道支援の強化を呼び掛けている。

 米情報機関や国防当局者によれば、シリアの防空システムは世界でも最高レベルのもので、米軍やイスラエル軍の戦闘機を撃退するために開発された。オバマ政権は同システムの構築を阻止しようとしたが、散発的な介入で終わってしまったという。

 米政府当局者によると、デンプシー統合参謀本部議長ホワイトハウスで行われたシリアに対する軍事オプションに関する会合で、アサド政権の防空力は米軍の介入の最大の障壁となっていると再三指摘しているという。これに対し、軍事介入支持派は、オバマ政権は行動を起こさないことを正当化するためにシリアの防空システムの脅威を誇張していると見ている。

 デンプシー議長は政府に対し、ステルス機や海上発射の精密誘導ミサイルでシリアの防空サイトの多くを比較的短期間に破壊できるだろうとしながらも、移動式の発射装置は発見や破壊が難しく、人口密集地に配備されれば市民に死傷者が出る恐れがあると警告した。

 オバマ大統領のシリア政策に批判的なマケイン上院議員(共和、アリゾナ州)は28日、シリアの防空網のリスクには触れず、市民や反体制派を守るために米政府は無人機による飛行禁止空域の設定を支持すべきだと訴えた。人道支援の拡大を求める議員もいる。

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