欧州は新たなキプロス救済策を検討へ−銀行預金課税案否決で (Bloomberg.co.jpから引用)

混乱が深まるのだろうが、大きく混乱するのがすぐなのか、それとも時間がかかるのか。

引用開始
 3月20日ブルームバーグ):欧州当局者らはキプロスに対し、救済と引き換えにどの程度の負担を強いるかを検討する必要がある。同国議会は融資条件に挙げられている銀行預金課税を実施する法案を否決し、欧州が提示した救済案は宙に浮いた格好となった。

ルクセンブルクのフリーデン財務相はユーロ圏17カ国の財務相らに、「できるだけ早急に」会議を再開して新たな救済策をまとめるよう呼び掛けた。欧州中央銀行(ECB)もキプロスに一段の時間的猶予を与えるか、同国の銀行への流動性供給停止を検討するかどうかを決めざるを得なくなる。

フリーデン財務相は19日の電話インタビューで、「キプロスとユーロ圏のどちらにとっても良い結果ではなく、共に代替案を探る必要がある」と指摘。採決結果について、「非常に悲しいニュースだ」と述べたものの、キプロス議会の決定は尊重されるべきだとの認識を示した。

キプロスでは、銀行預金への課税という形で預金者に救済資金の一部負担を強いる欧州の計画に対し、反発が広がっていた。

フリーデン財務相は「現時点で重要なのは、ユーロ圏の安定を確保するためにあらゆる必要な措置を講じることだ」と述べた。

銀行休業

ECBと国際通貨基金IMF)、欧州委員会で構成するトロイカの当局者はキプロスで、一段の資本規制や銀行休業を週末まで延長する可能性について協議している。事情に詳しい欧州当局者1人が、協議が機密扱いであることを理由に匿名で語った。

キプロス国内総生産(GDP)はユーロ圏全体の0.5%にも満たないが、銀行預金課税をめぐる混乱が新たな金融危機を引き起こす恐れがある。

キプロス議会は銀行預金課税を実施する法案を否決。36人が反対、19人が棄権した。賛成はゼロだった。この結果を受けて、議会の外ではデモ隊から歓声が上がった。欧州当局者らは先週末、キプロスに対する100億ユーロ(約1兆2000億円)の救済融資の条件として、銀行預金課税を通じた58億ユーロの捻出を求めた。

財務相は「遺憾」表明

ドイツのショイブレ財務相は声明で、今回の採決結果について「遺憾だ」とした上で、キプロスは「特殊なケース」であり、他の地域の預金に関する前例にはならないと指摘。「この日のキプロスの決定が域内の他の地域に負の影響を及ぼさないようにするため、適切な予防措置を講じている」と説明した。ユーロ圏財務相会合(ユーログループ)による提案は「なお有効だ」とも述べた。

ユーログループ議長を務めるオランダのダイセルブルーム財務相はテキストメッセージで、ユーログループは「キプロスの改革の取り組みを支援する用意を整えている」と表明した。

キプロスのアナスタシアディス大統領はニコシア時間20日午前9時(日本時間同日午後4時)に各政党の党首と会談する。大統領府が議会採決前に明らかにした。

原題:Europe Weighs Cyprus’s Fate After Lawmakers Reject BailoutDeal(抜粋)

記事に関する記者への問い合わせ先:ベルリン Patrick Donahue pdonahue1@bloomberg.net;フランクフルト Jeff Black jblack25@bloomberg.net

記事についてのエディターへの問い合わせ先:James Hertling jhertling@bloomberg.net;Craig Stirling cstirling1@bloomberg.net
更新日時: 2013/03/20 12:15 JST
引用終了