組織動かしたことない人は日銀総裁に不向き=麻生財務相(REUTERSから引用)

麻生財務大臣は、アメリカの景気が回復したとは思っていないようだ。

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[東京 22日 ロイター] 麻生太郎財務相は22日の閣議後会見で、日銀総裁人事に関連し、組織を動かしたことがない人は日銀総裁にはふさわしくない、との見解を示した上で、日銀と財務省の連絡がきちんと取れる人であれば財務省出身でなくてもいいとの考えを示した。

麻生財務相日銀総裁人事について「大きな組織を動かすときには、経験のない方が動かすとなかなか物が回っていかない。どの組織でも同じだ。日銀も例外ではない。基本的には組織を動かしたことのない人は日銀総裁には不向きだ」との考えを示した。

さらに日銀のこれまでの政策について「日銀は世界の中銀と比べて冠たるものだ。少なくともリーマン(ショック)前は(1ドル)108円だった。それが円高で最高75円までいって、いろいろ金融政策に批判もあるが、少なくとも自国の通貨価値を維持してきたのは確かだし、日銀はきちんと対応してきた」と評価。「その銀行の総裁は各国の中銀にも注目の的だ。存在のある立場になるので、それにふさわしい人を考えないといけない。語学については、流ちょうにしゃべる必要はないが、普通に意思疎通できればいいと思う」とした。

日銀と財務省の連携に関連して、日銀正副総裁に財務省出身者がいた方がいいか、との質問には「日銀と財務省は金融政策とか経済政策とかいろんなことをやっていく両輪。連絡がとれることはすごく大事なところで、両者が対立する構図は他国からつけこまれる可能性を増やすだけだ。連絡がとれるという意味では財務省(出身)でなくてもいい。きちんと連絡が取れる人であれば」と答えた。

さらに過去5年間の日銀と財務省のコミュニケーションについて「あまり十分でなかった。コミュニケーションがスムーズでない部分があったと思う」と指摘。日銀の独立性に関しては「日銀が自主性を保つということは当然だ」と述べた。

日銀総裁人事のスケジュールに関しては「首相が米国から帰ってからだ」と述べるにとどめ、「決めるのは首相だ。意見を聞かれたら申し上げる」と語った。

現在の為替相場に関しては「少なくとも安定していることが大事だ」と指摘。「毎日5円も10円も上がったり下がったりするのが、企業とか経済とかには迷惑なことなので、安定しているというのが大事だ。その相場観がどれくらいかは言えない」とした。

米国経済に関して麻生財務相は「住宅価格が上がっていない限り本当に回復したかは疑わしい、とアメリカ人が思っている。だからそんな簡単に(回復するとは)思えない」との認識を示し、「(株価上昇は)ひとつのいいシグナルではあると思うが、全体として(米国経済が)力強く上がってきているという感じはしていないと思う」と述べた。
韓国新大統領の就任式に出席することに関連しては「(韓国は)北東アジアで共通の価値観を持っている数少ない民主主義国で、G20のメンバーだ。両国が手をつないで未来志向で行くことを進めないといけないというのが基本だ」と語った。また今回の訪韓の際に、韓国国債を買うというような話が出ることはないとした。

(ロイターニュース 石田仁志:編集 内田慎一)
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