グーグルが北朝鮮の詳細地図 (WSJ日本版から引用)

これで改革開放路線が強化されるのか、それとも軍政が続くのか。

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【ソウル】グーグルマップを利用する数億人の人々にとって北朝鮮は少し面白くなってきた。

 同社は29日、地図アプリ「グーグルマップ」をアップデートし、北朝鮮に関する情報—通りの名称から収容所の輪郭まで—を付け加えた。グーグルが8年前にネットとモバイルデバイスでの地図提供サービスを開始して以来ほとんどが空白だった北朝鮮の地図に肉付けされた。

 北朝鮮地図の新しい情報は、「マップ・メーカー」と呼ばれるグーグルの計画の一環として、同国に関心のある人たちが通り、地区、建物、ランドマークの名前を教える、いわゆるクラウドソーシング(不特定の人たちがネットを介して作業をすること)の結果だ。

 アップデートされた北朝鮮の地図では、世界でも最も規模が大きく最も非人道的な収容所とされる強制労働収容所があると言われる地域も明らかにされている。薄いベージュ色を背景にブラウンのシェーディングがくっきりと浮かび上がり、グーグルマップのユーザーはたちまち巨大な収容所を見ることができる。

 グーグルのシュミット会長は3週間前、ビル・リチャードソン前ニューメキシコ州知事とともに北朝鮮を訪問し、これは大々的に報じられた。シュミット氏は同国で、国民がインターネットを使えるようにし、情報を制限するのをやめるよう訴えた。グーグルの広報担当者は、今回の北朝鮮の地図と会長訪問には何の関係もないと指摘した。
同広報担当者は「このデータは以前からマップ・メーカーにあるが、グーグルマップで機能するようなものを作るのに十分な高品質データを生み出すには通常数年を要する」と述べた。また、グーグルは150カ国の地図を作るのに「市民地図製作者」の協力が必要だとし、アフガニスタンなど政府が地図作成でほとんど何もしていない国ではこれらの製作者が大きく寄与したと付け加えた。

 グーグルはそのブログで、北朝鮮に関する作業はそれをグーグルマップに組み入れられるだけの詳細さと信頼性を確保したと判断した、としている。そうではあっても、この作業は北朝鮮に関してまだ多くの知られていないことや未確認の事柄があることを明らかにした。

 グーグルマップの新バージョンの情報量は、衛星写真を使った別のグーグル・サービスである「グーグルアース」を利用して個人的に作られたファイルに比べて少ない。グーグルアースは別途ダウンロードしなければならない。

 グーグルアースを利用して何年も前から北朝鮮の地図を作っているカーティス・メルビン氏は、グーグルマップのための別の作業について知って驚いたとしている。同氏は「これは私が既に公表したものの一部分とも言えない程度だ」と指摘した。例えば、同氏の協力者によれば、同氏のファイルではグーグルマップで見られるよりももっと多くの収容所の輪郭が示されているという。

 北朝鮮経済ウオッチというサイトを運営するメルビン氏は最近、ジョンズ・ホプキンス大学高等国際問題研究所大学院の北朝鮮サイト「38ノース(North)」と、北朝鮮のデジタル地図の製作で協力した。同氏は北朝鮮を訪問した人や脱北者らから同国の情報を得ている。

 グーグルのシニア・プロダクト・マネジャー、ジャヤンス・マイソア氏はブログで、北朝鮮の地図は「完全ではない」とし、同社は「これらの地図の質を改善するのを引き続き支援してくれるよう」人々に働きかけていると付け加えた。北朝鮮地図作成に協力した韓国人ファン・ミンウー氏(28)は4年前にラオス旅行に行ってグーグルマップを使おうとして、それが完全ではないことが分かり、グーグルに協力するようになったと話している。
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