両岸の共同釣魚島防衛活動の何が間違っているのか?(人民網日本語版から引用)

日本と台湾の間では、尖閣諸島の領有権に関して、話し合いを持ち、場合によっては台湾に譲ることも考えてよいのではないか。しかし、大陸中国は交渉に相手にはなりえないであろう。日台友好が推進され、台湾が中国に吸収されないように持って行けるのであれば、それはとても安いものではないか。

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台湾の保釣(釣魚島防衛)漁船が日本側から攻撃を受けた際、台湾の巡視船は「応援」に来た大陸の海洋監視船に対して意外にも「直ちに立ち去るように」と呼びかけた。この一幕は24日に釣魚島(日本名・尖閣諸島)の南西約20海里で起きた。当時台湾漁船「全家福」は媽祖像を釣魚島へ運ぶ途中だったが、護衛していた台湾海岸巡防署の巡視船4隻が日本側艦艇に対抗しなかったため、高圧放水で複数箇所破損し、帰航を余儀なくされた。人民日報海外版が伝えた。

 「両岸間の共同(保釣)の何が間違っているのか?釣魚台(島)奪還の何が間違っているのか?」。今回の保釣に参加した台湾中華保釣協会の黄錫麟秘書長は帰航後、報道陣に「台湾海岸巡防当局の設備、装備は余りにも劣っており、日本側と比べものにならない。巡視船自体が破損さえした」と述べた。

 ■台湾側「両岸の共同保釣を回避」

 台湾「中央社」の報道によると、漁船「全家福」は釣魚島海域で保釣活動を行うため24日午前1時45分に新北市深澳港を出港。台湾「海岸巡防署」は「全家福」の安全を全行程で守るため、モーターボート2隻と巡視船4隻を派遣した。

 午前9時40分、釣魚島の南西28海里で日本海保安庁の公船8隻が蛇行する、波を立てる、黒煙を排出するなどして、台湾漁船「全家福」の前進を妨害し始めた。10時32分、日本の公船は「全家福」に対する放水を開始。台湾「海岸巡防署」の艦艇4隻が前に出て保護した。

 10時50分、中国大陸の海洋監視船3隻が釣魚島の南西20海里、台湾の巡視船「和星艦」の左方2.5海里の地点に出現した。「両岸の共同保釣の疑いを引き起こさないため」、台湾巡視船は無線とLED灯で「釣魚島は中華民国の領土だ。ここは中華民国釣魚島海域だ。直ちに立ち去るように」と呼びかけた。

 11時30分、「全家福」は釣魚島の南西12海里の地点に停留し、大陸の海洋監視船3隻は「和星艦」の後方0.3海里の地点、日本公船は周辺海域に。その後「全家福」は複数箇所の破損のため、帰航を始めた。
■「大陸の海洋監視船はわれわれのしんがりを務めた」

 「全家福」は同日夜10時に新北市深澳漁港に帰港。乗組員たちは下船するや待ちかまえていた報道陣多数に取り囲まれた。「全家福」は左側の船灯がほぼ全損。船室内はぐちゃぐちゃで、床はガラスの破片でいっぱいだった。浸水のため、エンジン1つを含む重要器具多数が損壊していた。

 黄氏は「日本は寸鉄帯びぬ台湾の保釣活動家に、悪辣で横暴なやり方で対処した」と指摘。保釣メンバーは3カ月後、海の状況が好転するのを待って、再び保釣活動を発動する可能性も排除しないと表明した。

 「釣魚島の領有権を守るには両岸が連携してこそ効果的だ。台湾だけではお手上げだ。したがって大陸の海洋監視船が来たことは事実上、われわれを勢いづかせ、しんがりを務めるものであり、大変な喜びと安堵を覚えた」と黄氏は語った。「両岸の民間の連携による保釣は2003年から現在までずっと行われている。現在民間の保釣には何ら問題はない。台湾政府側がどうしたいのかが大きい」。

 今回の状況から見て、台湾当局は依然「両岸の共同保釣はあり得ない」という立場を固守している。馬英九は昨年8月に日本メディアの取材にこの立場の恪守を約束して、党内世論から「媚日」「北洋軍閥にも劣る」と批判された。台湾中国文化大学の邱毅教授は、馬英九のこの言動について「米国に釈明するため」と分析する。
 ■学者「両岸が連携すれば日本は震え上がる」

 同一海域に両岸の艦船が同時に出現するのは、中国の保釣の歴史において初めてのことではないが、同時に7隻もの法執行船が出現したのは初めてだ。

 台湾「中国時報」は25日の論説で、大陸の海洋監視船に退去を求めた台湾当局のやり方は偏狭で長期的視点を欠くものだと指摘。「『海岸巡防署』艦船が漁業保護過程で大陸が通常派遣している保釣目的の海洋監視船と『期せずして遭遇し』、両岸が連携して日本に対抗する形勢を形作る。柔軟な戦略を運用できれば、日本側船舶を震え上がらせ、台湾側の保釣の正当性をよりはっきりと示すことができる」と論じた。

 中国社会科学院で領海問題を研究する王暁鵬氏は「日本は以前、釣魚島に対していわゆる『慰霊祭』『開拓記念』などの『亡霊参拝』活動を行い、釣魚島における中国の文化主権の侵害を企てた。台湾漁船が今回媽祖像を島に祭ろうとしたのは、これに対する台湾民間の自発的対応と見なせる」と指摘した。

 王氏はまた「台湾側の最近の言動から、釣魚島問題において台湾当局が依然『漁業権重視、領有権軽視』の原則を堅持していることが見てとれる。台湾当局が艦船を派遣して護衛したのは、保釣活動家を守るため以上に、民間活動家の過激な行動によって釣魚島情勢が打ち破られ、最終的に台湾当局が後始末をさせられることを防ぐためだ」「両岸の船舶が同一の海域に同時に出現したことで、客観的に主権維持協力の効果が発揮された」と指摘した。

 釣魚島周辺での台湾漁師の操業は長年日本側に邪魔されてきた。今回の事件後すぐに日本側は台日漁業協議の延期をほのめかした。国民党の林郁方「立法委員」は25日「漁業交渉はすでに17、8回行われたが、最後はいつも日本が面倒を引き起こして合意にいたらなかった。私は一貫して漁業協議を評価していない。漁業権と『主権』は断じて分割不能であり『交渉しながら争い、争いながら交渉する』しかないからだ」と表明した。(編集NA)

 「人民網日本語版」2013年1月28日
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