新政権下の日銀金融政策、「ボルカー・ショック」に匹敵する変更も?(Bloomberg.co.jpから引用)

徐々に円安、そしてそののち日本国債危機の可能性。輸入品が円安で価格上昇してくると、庶民生活は株価とは裏腹に厳しくなってくるかもしれない。

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12月18日(ブルームバーグ):衆院選自民党が圧勝した結果、次期政権の首相候補となる同党の安倍晋三総裁は、日本銀行が2006年に政策金利を引き上げた際に支持したことが誤りだったと述べている。同総裁は今回の選挙前後を通じて日銀への不満を表明し、デフレ脱却へ大胆な金融緩和策が必要だと繰り返し主張。米国の「ボルカー・ショック」に匹敵する大きな政策変更が打ち出される可能性も指摘されている。

第46回衆院選は16日投票、即日開票された結果、自民・公明両党が民主党から3年ぶりに政権を奪還、同党は大敗した。各党の発表によると、定数480議席のうち自民党は294議席公明党は31議席を獲得する一方、民主党は57議席にとどまった。自公合わせると、参院で否決された法案を衆院で再可決できる3分の2議席を超えた。

安倍総裁は選挙後の記者会見で、2%の物価上昇率の目標を明示した政府と日銀の政策協定(アコード)を取りまとめるため、新内閣発足と同時に関係閣僚に作業を指示する考えを示した。

来春に任期満了となる日銀の正副総裁人事でも、インフレ目標設定に賛成する人物が望ましいとの考えを表明している。白川方明総裁は来年4月8日、山口広秀、西村清彦両副総裁は3月19日に任期満了で退任する。

JPモルガン・チェースのチーフエコノミスト、ブルース・カスマン氏は、こうした状況が金融政策面では来年に向け最も重要な出来事の1つだと指摘。ポール・ボルカー氏が米連邦準備制度理事会FRB)議長に指名された後に生じた米金融政策の大きな変更と似たものになる可能性があると述べた。

ボルカー氏は1979年にFRB議長に就任。狂乱インフレに対し量的引き締めを実施し、フェデラルファンド(FF)金利を20%超まで引き上げた。米政策当局者は競争力や生産性に対するインフレのコストを認識し、これを封じ込めようとしたボルカー氏の取り組みを後押しした。

17日の東京外国為替市場では円が主要16通貨に対して全面安の展開となり、対ドルでは約1年8カ月ぶりの安値を付けた。東京株式相場は同日、TOPIXが4日続伸。自公両党が衆院選で圧勝し、脱デフレ政策・円安進行への期待が広がった。    

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更新日時: 2012/12/18 10:20 JST
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