国連総会、パレスチナの「国家」格上げ決議を採択(WSJ日本版から引用)

どこかで兄弟げんかはやめざるを得ない。核戦争に到達する前にやめてほしい。

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国連総会は29日、パレスチナの国連における地位を「オブザーバー国家」に引き上げる総会決議案を採択した。アッバスパレスチナ自治政府議長と同議長が率いる穏健派ファタハにとって外交的な大勝利だ。

米国とイスラエルの反対にもかかわらず、過半数の国連加盟国はパレスチナを「オブザーバー国家」とする決議案に賛成した。これによってパレスチナは国連でバチカンと同じ地位になる。賛成は138カ国、反対9カ国、棄権41カ国だった。

 この結果、焦点は、イスラエルとの武力闘争を訴えるイスラム原理主義組織ハマスの戦略から国際的な外交に主眼を置き、アッバス議長によって独立国家への最善の道として支持されているファタハの戦術に移った。

 この投票結果が報じられると、屋外テレビや自宅のテレビの前に集まったパレスチナ人たちは喜びの声を上げた。

 アッバス議長に敵対する武装組織ハマスは、エジプトなど周辺の有力国の支持を得て、8日間にわたるイスラエル軍の激しい空爆を乗り越え、地域内で威信を高めた。イスラエルの攻撃に対しては1日に100発以上のロケット弾を発射して応戦した。停戦が合意されて1週間ほどで、国連総会の採決が行われ、焦点がファタハに移ったのだ。

 国連加盟の過半の国は、この採決が「一方的」なものでイスラエルパレスチナの和平交渉の進展を難しくさせるという米国とイスラエルの主張を退けて、パレスチナに「オブザーバー国家」の地位を与えた。

 ネタニヤフ首相は「国連の決定は現場の状況を変えるものではない」とし、「和平はエルサレムとラマラ(パレスチナ自治政府)との合意によって達成されるものであり、国連決議によって達成されることはない。国連での拍手喝采に惑わされてはならないと忠告しておく」と強調した。

 フランスやスペイン、ノルウェーデンマーク、スイスといった欧州の国々は最近、決議案に賛成する方針を相次いで表明、パレスチナ側の主張に象徴的な重みを与えた。潘基文国連事務総長は、交渉が行き詰まっている和平交渉に新たな息吹を与えるよう、イスラエルパレスチナの双方の指導者に呼び掛けた。

 国連での採決を前に、ヨルダン川西岸では数千人のパレスチナ人が通りに出て前祝いをした。自治政府は学校を半休とし、公務員にも早引けさせた。道路には自治政府ファタハの旗が掲げられた。ラマラでは警察が中心部のマナラ広場の周囲の道路を封鎖して、歩行者が自由に歩けるようにした。近くにはステージが設けられて、「国連パレスチナ国家」の文字とともに、アッバス議長とアラファト前議長の顔写真が掲げられた。

 パレスチナについては既に132の国が主権国家として承認していたため、国連総会での採択で賛成票が97以上の過半数になるのは確実だった。パレスチナ代表団のあるメンバーは投票を前に、「外交が機能しているとの国際社会からのメッセージだ」と述べた。

 今回の採決は、英国が管理していたパレスチナをアラブ国家とイスラエル国家に分割するとの提案が国連で承認された1947年から数えて65年目の記念日に行われた。当時、イスラエルの指導部はこの決定を受け入れたが、アラブ諸国の政府は拒否。これがアラブ・イスラエルの戦争につながり、パレスチナ人は国家を失った。その後パレスチナ解放機構PLO)が88年に分割を受け入れ、パレスチナ国家が正式に宣言された。ハマスイスラエルの存在権を否定、ファタハはこれを受け入れている。

イスラエルは11月に、国連の動きは「外交的なテロだ」として反発し、パレスチナ 側に支払うべき税収を引き渡さない方針を示した。だが最近はガザでの武力衝突によって西側諸国の中にアッバス氏の苦境への同情が高まったことを考慮し、国連決議によって直ちに制裁を科すことはしない方針を示していた。

記者: Joshua Mitnick 、Joe Lauria
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