ユーロ圏とIMF、ギリシャ債務削減で合意(WSJ日本版から引用)

ユーロ危機劇場は、まだまだ続くようだ。陰が極まらないと陽には転じないのだろう。転じたところで、また繰り返すのかもしれないが。

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ブリュッセルギリシャの国際債権団は、同国救済計画をめぐる行き詰まりに終止符を打つための合意に至った。ただ、救済をめぐる意見の違いはくすぶっており、同国の多額の債務に対する長期的な解決策はまだ見つかっていない。

ユーロ圏17カ国の財務相国際通貨基金IMF)は当地の会合で、ギリシャの債務を2020年までに国内総生産GDP)比124%以下にするとの目標で合意した。協議は数時間に及んだ。この合意を受け、同国は長らく遅れていた約440億ユーロ(約4兆6800億円)の融資を受け取ることになる。当局者らによると、支払いは3回に分けて行われるという。

 IMFは、ギリシャが経済の健全性を取り戻したければ20年までに債務をGDP比120%まで圧縮すべきと主張してきた。今回合意した目標は120%に近いとはいえ、これを上回っている。

 欧州中央銀行(ECB)のドラギ総裁は27日、記者団に対し、ギリシャ救済プログラムを予見可能な未来の間続けるとしたギリシャと債権団の合意を「ECBは歓迎する」と評価。「不透明性が低減し、欧州に対する信認が高まるだろう」と述べた。

 協議の内容に詳しい人物によると、合意の詳細が判明していなかった26日、IMFは120%の目標でさえ高すぎるとしており、「120%でさえギリシャには大きすぎるとみな知っていた」。持続不能な債務は、海外からの投資や内需を圧迫するだろうという。

 これまでに決まったギリシャ救済資金2457億ユーロのうち、20%前後がIMF分だ。ただ、IMFは、ギリシャがいずれ自力で資金調達できる状態に戻るという現実的な見通しが立たなければ、同国への資金供給は続けられないと訴えてきた。

記者: Gabriele Steinhauser、Costas Paris
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