「中国に追い抜かれる」ことに困惑する米メディア(人民網日本版から引用)

リオリエント、それはもう現実のものだ。しかし、現在の世界のお金の流れは、欧米がそのシステムを作り維持している。それがどう中国を取り込めるのだろうか。

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経済協力開発機構OECD)は先週金曜日の報告で、2016年に米国は中国に追い抜かれて世界最大の経済大国としての地位を失うと予測した。米国は「中国に追い抜かれる」ことを受け入れられるのだろうか?米メディアはこの予測は余りに単純だと疑問を呈し、たとえ2060年になっても米国は1人当たりの経済力では依然優位を保つと指摘している。人民日報海外版が伝えた。

 ■世界経済の構造が変化

 OECDは最近公式サイトに「経済大国のパワーバランスは今後50年で極めて大きく変化」と題するプレスリリースを掲載。世界各国の経済成長速度の違いが世界経済の構造に変化をもたらしつつあると指摘した。報告は今後50年で世界経済の構造に天地を覆すような変化が生じると予測。早ければ2016年に中国が国内総生産GDP)で米国を追い抜き、米国は世界最大の経済大国から第3位へ転落し、インドが第2位になるとした。

 OECDは34の市場経済国からなる政府間国際経済組織。グローバル化が経済、社会、政府ガバナンスにもたらす試練に共同で対処すると同時に、グローバル化のもたらすチャンスを捉えることを旨としている。

 報告は中国の経済規模と欧米の経済規模を比較。2011年に中国のGDPは世界全体の17%を占め、これはユーロ圏と同等、米国の23%より低いが、2060年には中国が28%を占める一方で、ユーロ圏は9%、米国は16%に落ち込むとしている。
■1人当たりの経済力では米国が依然強い

 米紙ワシントン・ポスト電子版は「朗報!今後50年は驚くべきものに」と題する記事を掲載。米国の失業率の高止まりと欧州債務危機が足枷となり、米国と欧州の経済は低迷が続くが、中国とインドの経済は飛躍すると指摘した。

 注目されるのは、記事が報告の内容に関して「2011年から2060年までに中国とインドの1人当たりの実質GDPは7倍近くに増加する。中国の場合、8387ドルから6万ドルへ跳ね上がるということだ。だが米国の経済的優位はやはり軽視できない。米国の1人当たりのGDPは2011年ですでに4万8378ドルに達しているのだ」と紹介したことだ。

 記事はまた「たとえOECDの予測が正しくても、2060年の米国の1人当たりのGDPは13万6611ドルで、依然中国の2倍以上だ。一方、2011年には米国の1人当たりのGDPは中国のほぼ6倍だった」と指摘。さらに「この推測は余りに単純だ。1962年に2010年の世界経済の状況を推測したようなものだ」と疑問を呈した。記事は「予測が正しければ、これは朗報だ。2060年には世界から貧困が根絶されるからだ」と結んでいる。
■米国の経済的優位は過去の記憶に

 今後50年で世界経済の構造に根本的な変化が生じること、新興経済体が将来も世界の長期的成長の原動力であることに疑いの余地はない。新興国の生活水準は最高で先進国の60%にまで達する。米国と欧州の1人当たりの豊かさは高いままだ。

 米誌フォーブス電子版は以前「中国はじきに世界最大の経済大国になる。これは絶対的意味において米国を追い抜くというだけであり、相対的な1人当たりの水準は依然米国に及ばない」と指摘した。米市場調査会社フロスト&サリバンは研究報告で「2025年には中国は世界最大の経済大国となり、名目GDPは38兆ドルに達する」と指摘した。

 ワシントン・ポスト電子版の記事も「中国は世界最大の経済大国になるが、世界で最も裕福な国は依然米国だ」との見解を率直に示している。米誌USニューズ&ワールド・レポート電子版は「米国がナンバーワンの大国としての地位を失うと聞くと不安を抱かされるが、これは米国経済が必ず縮小するという意味ではない」と指摘。その一方で「いつの日か、米国の経済的優位は遥か遠い記憶となる」とも認めた。(編集NA)

 「人民網日本語版」2012年11月13日
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