日本の割安不動産求める外国人が増加 差し押さえ物件専用の英文サイトも(WSJ日本版から引用)

台湾の不動産投資利回りが2%位しかないとは驚きだ。間もなく日本バブル再演の暁には、世界から資金が集まり、そしてその後引いていくのだろう。踊らされないように注意したい。

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 【東京】カナダ人のマーカス・リーチさん(53)は、いい買い物をしたと考えている。世界最大の人口を有する都市圏を2年前に離れ、リーチさんは現在、都心から電車で90分の場所に暮らしている。家の広さは3000平方フィート(約280平方メートル)で、1エーカーの自然豊かな敷地からは太平洋が見渡せる。この物件にかかった総費用は50万ドル(約4000万円)以下だ。
「このような物件は地元のバンクーバーでは少なくとも200万ドル以上する」とリーチさんは話す。リーチさんは幹部人材紹介業に携わっている。土地総合研究所によると、9月時点における都内にある広さ760平方フィートの新築マンションの平均販売価格は51万5000ドル。

 このような割安と思える物件を手に入れられたのは偶然ではない。東京は世界で最も物価の高い都市という称号を依然維持している。一方、都市部への着実な人口移動や長年にわたる国内人口の減少により、国際的な基準に照らし合わせて割安な価格で入手可能な物件が増えている。

 リーチさんはこの土地を2003年に約12万ドル(約1300万円)で購入した。その後、アカスギ材を使用したログハウスをカナダから16万ドルで輸入し、残りの費用を建設工事と造園に充てた。

こうした割安物件の登場が強力なインセンティブとなり、日本で物件を手に入れようとする外国人が出てきている。彼らは外国の不動産市場への投資につきものの潜在的落とし穴への対処も覚悟のうえだ。

 書類上は日本での不動産物件の所有はシンプルだ。国籍や居住に関する条件は特にない。所有権の移転は地元の市役所ででき、権原調査も権原保険も必要ない。仲介業者によると、権利移転費用は購入価格のわずか3〜5%程度だ。

 だが、日本に限ったことではないが、常に隠れたリスクは存在する可能性がある。リーチさんが購入した土地には以前家が建っていたものの、家の建設許可は与えられていないことが購入後に明らかになった。必要な許可を地元自治体から取得するのに2年かかった。リーチさんはその期間について「少し怖かった」と話す。だが、最終的には許可を得ることができた。家の建設は極めて順調にいった、とリーチさん。リーチさんと日本人の妻は今はすっかり落ち着き、素晴らしい眺めを楽しんでいる。

 だが、リーチさんのようなオーナーはジレンマを抱えている。たとえ割安物件を手に入れることができても、日本の不動産市場の低迷で利益を手にすることが難しくなっているためだ。日本では、大都市を除いて地価が過去20年下落し続けているうえ、家に対する感情的な思い入れもあまりない。築25年を超える物件は完全償却され、おおむね日本人の買い手にとっては無価値とみなされている。

 だが、そうした現状にもかかわらず、英国人コピーライターのデービッド・ビートンさんが購入を思いとどまることはなかった。「すごく古い土地はそれ以上価値が下がることはない」と判断したためだ。

 ビートンさんは06年に、司教の自宅として使用されていた東京から約1時間の場所にある築200年のわらぶき屋根の家屋とその離れを2000万円で購入した。その後、改築や整備にさらに500万円を投じ、11年に3500万円で売却した。

 だが、ビートンさんによると、そういったタイプの家屋は日本の平均的な家族には人気がないという。「わたしが見つけた買い手は5年間海外で暮らしていた日本人夫婦だ」と、ビートンさんは話す。

 もっと従来的な方法で日本の不動産市場に投資している外国人もいる。都市部のマンションを購入し、あらゆる手続きを管理会社に委託するやり方だ。このような投資は、日本の強力な法制度も手伝って5〜10%程度の利回りで着実に収入を得られる可能性があるため、アジア各国からの投資家の間で人気となっている。

 その1人が台湾人のジュリア・チャンさん(48)だ。チャンさんと夫は2年前、都心にあるマンションを2戸購入した。「夫が日本好きで、日本で物件を購入するのが子供の頃からの夢だった。それに2人の子供も日本文化のファンだ」とチャンさんは語る。

 チャンさんによると、台湾では賃貸利回りはわずか2%程度であるのに対して、東京では通常5%以上である点に引かれて購入したにもかかわらず、いずれの物件も貸し出さず、頻繁に東京を訪れる際に自分たちが使用しているという。

 チャンさんは「夫は賃貸用にもう1戸購入したいと考えている。そうすれば、その賃貸料を他の2戸の管理費に充てることができる」と話す。

 極めて割安な物件を探している外国人投資家には、都内をはじめとする日本国内で競売にかけられる予定の差し押さえ物件を専門に扱った英文サイト(www.sleepwellhomes.jp)も用意されている。

 同サイトには、都内では毎日7件を超える物件が差し押さえられているとある。創設者のエドワード・パーキッシュ氏によると、それら物件の価格は市場価格を30%下回ることもある。

記者: William Sposato
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