暗闇に消えたマンハッタンの摩天楼−地下鉄浸水で再開のめど (Bloomberg.co.jpから引用)

地下鉄に高潮が流れ込んだようだが、どの程度なのだろうか。

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10月30日(ブルームバーグ):スパーストーム「サンディ」による洪水で米ニューヨーク市内5つの地区で浸水被害が発生、路上の自動車、トンネル、地下鉄網などが水に沈み、摩天楼と近隣地域は暗闇に包まれた。

ニューヨーク市にとっては1888、1947年と並ぶほどの大きな被害が出ており、これまでにクイーンズ地区で2人の死亡が伝えられているほか、電力会社コンソリデーテッド・エジソン が地下の電気設備を保護するために電力供給を停止したことから、現地時間午後11時半現在、同地区の67万世帯以上で停電となっている。14丁目の変電施設で変圧器が爆発する事故も発生、停電は他の地域にも広がっている。

ブルームバーグ市長は会見で「非常に危険な嵐になることは予想していたが、実際は予想以上だった」と述べた。

午後8時ごろには高潮でイーストリバーの水が護岸を越えてウォール街にドッと流れ込み、大通りは運河と化した。交差点は湖のようになり、店の看板や建物からはがれた金属くずなども浮遊している。

マンハッタンの南端のバッテリーバーク地区では午後9時24分時点で水位計が13.88フィート(約4.2メートル)に達した。米気象庁(NWS)によると、現代これまでの記録は1960年9月のハリケーン「ドナ」来襲時の10.02フィートだという。

JPモルガン・チェースプライベートバンキング部門で働くブランドン・ミチョン氏(26)は近くに駐車してあった白のBMWの屋根が水面付近に見えるのを指差し、「10分前には水位はタイヤの高さまでだった」と語った。

地下鉄トンネルの浸水

ニューヨーク・ニュージャージー港湾局のコールマン報道官によると、ニューヨーク近郊の3つの空港では滑走路が冠水した。

ニューヨーク州都市交通局(MTA)のシートン報道官によると、同局はマンハッタン南部の地下鉄トンネルの浸水を調査中。米最大の公共交通機関であるMTAが24時間運休したのは108年の歴史で2回しかない。同報道官は運転再開のめどは立たないと述べた。

MTA当局者によると、洪水がイーストリバーとハーレムリバーの下を通るトンネルや、運行サービスの復旧に「大きな脅威」を突き付けている。駅入り口や歩道にある通気口の格子は合板で覆い土のうで補強したとオルティス報道官は説明した。

原題:Hurricane Sandy’s Waters Course Through Blacked-Out NewYork(抜粋)

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更新日時: 2012/10/30 14:18 JST
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