1987年並みの株価大暴落は避けられない(WSJ日本版から引用)

恐らく株価大暴落となるのだろう。日本株が上がり、もう日本バブル再演かと思わせて落とされるのだろうか。

引用開始
【チャペルヒルノースカロライナ州)】1987年10月に起こった株価大暴落に匹敵するクラッシュに対して備えよ。

これはたしかに気がめいる予測だ。現在の株価水準からすると、ダウ工業株30種平均がわずか1日で3000ドル余り下落することになるからだ。

 それに取引を一時中断するサーキットブレーカーといったマーケットの規制改革でそれを防げると考えているのであれば、それは夢みたいなことで甘い考えだ。

 最近の株価暴落の頻度を調べた学術的研究によって、これが決して大げさではない真実であることがわかる。そのことに気づくことがおそらく、ダウ平均が22.6%も暴落した1987年10月19日から25周年目にあたる今週の記念日に敬意を払う最良の方法だ。

 この研究はニューヨーク大学の金融学教授、Xavier Gabaix氏とボストン大学高分子研究センターの3人の科学者、ユージン・スタンレー氏、Parameswaran Gopikrishnan氏、Vasiliki Plerou氏によって10年前に行われた研究「株式市場の動きにおける大きな変動の理論(A Theory of Large Fluctuations in Stock Market Activity)」を追跡するものだ。

 数多くの補足的研究を踏まえ、Gabaix氏は今週初めに行われた電話インタビューで、当初の発見がより強められただけだと述べた。

暴落は止められない

 研究者らは、大幅な株価下落という市場の動きの頻度を予測する複雑な数式を導き出した。彼らはその数式が確固たる理論的根拠に根差すものだと信じているが、論より証拠である。過去1世紀を通じて、米国の株価がこの数式にかなり近似した動きをしたことだけではなく、世界の株式市場も同様だったことを彼らは発見した。

 例えば、1日に少なくとも20%の下落が発生することは予測可能だ。長期的にみると、それは平均で104年に1度発生するが、いつ発生してもおかしくはない。いつ発生するかわからないからこそ、常に備えておかなければならない。

 さまざまな規模の暴落の頻度が予測可能ならば、急落を予防することも可能ではないか?

 Gabaix氏は否定する。クラッシュは投資という競技場では避けられない特徴だ。すべての市場は多かれ少なかれほぼ同じ程度に、最大規模の投資家たちによって支配されているからだ。これはときどき起こることだが、これらの投資家が一斉に株式の放出を願ったら、サーキットブレーカーのような発動されるかもしれない無数の暴落防止装置を巧みに回避する方法を見つけるだろう。

 このため、Gabaix氏は、個人であれ、銀行や投資信託のような大きな機関投資家であれ、我々すべてが1987年のような大暴落が致命的にならぬよう、ポートフォリオに防護策を講じておくことを勧めている。

 残念なことに、ほとんどの投資家にとって、これは言うは易く行うは難しだと、Gabaix氏は付け加えた。これらの防護策は市場が暴落しない限り、ポートフォリオの運用成績の足を引っ張るに過ぎないからだ。長い間暴落が発生しなければ、これらの防護策を放り出し、短期的な利益を求める圧力が圧倒的になる。

 結論は何かって?規制当局は日々の大暴落を防ぐための規制を設けることに独り相撲をとって無駄な努力をしているということだ。さらに悪いことに、これらの規制導入の努力は、だまされやすい投資家を安全に対する誤った感覚に陥れてしまっている。

 私の後に続いて言ってください。「1987年の大暴落に匹敵するような株価のクラッシュはじきに起こる」と。以上。

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記者: Mark Hulbert
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