ウィンドウズ8、不慣れな操作画面に企業が二の足踏む可能性も(WSJ日本版から引用)

タブレットは便利だけど、エクセルやワードのようなものは、今までの方が使いやすいのかな。

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アップルAAPL+0.80%のタブレット端末「アイパッド」をはじめとする携帯端末が好調な売れ行きをみせるなか、自らの存在感を示そうと米ソフトウエア大手マイクロソフトMSFT+1.06%は、同社おなじみの基本ソフト(OS)「ウィンドウズ」を大幅に改良した。だが中には、社員が新しいOSの操作に慣れるのに時間がかかる可能性を危惧している企業顧客もいる。
新OS「ウィンドウズ8」では操作方法が一新され、「タイル」と呼ばれる小さな四角いウィンドウを指でタッチしてウェブサイトやアプリを起動する。スマートフォン(高機能携帯電話)ユーザーにはおなじみのアイコンのようなものだ。ウィンドウズ8は、従来のウィンドウズの「デスクトップ」に似た画面を使用し、マウスで操作することも可能だ。だが、ウィンドウズ8を試した企業の一部、特に当面は従来のノート型やデスクトップ型パソコンを使い続ける見通しの企業は、社員が操作性の違いに不満を持つ可能性を懸念している。

 ウィンドウズ8は企業に研修という新たな課題をもたらしている。ウィンドウズ95によって「スタート」ボタンなどの画期的な機能が導入されて以降は直面していなかった問題だ。ウィンドウズ8では「スタート」ボタンは「スタート」スクリーンに置き換えられている。

 マイクロソフトは、製品に何かしら変更が加えられるとユーザーは常に最初は多少抵抗感を覚えるが、いずれは慣れるものだと指摘し、ウィンドウズ8には新たな操作法を学ぶだけのメリットがあると主張している。 

企業のIT(情報技術)担当者の中には、その価値を認めているものもいる。だが、企業ユーザーが新OSへの移行をちゅうちょして先延ばしにした場合、その間にアイパッドをはじめとするウィンドウズ搭載でないタブレット端末に企業顧客を奪われ、ウィンドウズの長年の支配的地位が損なわれる可能性がある。

 一方、ウィンドウズXPを使用している企業には切り替えをためらっている余裕はあまりない。マイクロソフトはXPのサポート延長期間を2014年4月で打ち切る予定だ。だが、バークレイズ・キャピタルによると、企業の最高情報責任者(CIO)を対象としたアンケート調査では、今後1年についてはウィンドウズ8よりもウィンドウズ7への移行を検討していると回答した企業が多かった。

 その主な原因となっているのが、なじみのない操作画面だ。米医療マーケティング会社アイル7のIT責任者、ジェイク・ハリス氏は、研修なしで新しい機能をどの程度使いこなせるかをエンジニアの1人に試してもらったと話す。テストでは、パソコンにログインし、マウスだけを使用して従来のデスクトップ画面からタイルを使用した操作画面に切り替え、パソコンを再起動するまでの一連の操作を2分以内で終えられるかどうかを確認した。

 結局、エンジニアは時間内に操作を終えることはできなかった。「とても賢い人間でさえもそうだ」とハリス氏は述べ、「大半の企業にとってウィンドウズ8へのアップグレードが必須になるとは思えない」とした。

記者: Shira Ovide
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