東南アジアに根を下ろし花を咲かせる人民元(人民網日本版から引用)

伸び行く中国。日本人の先祖が秦を創り中国の基を建国した後も、その地域の統合は深化し、チベット満州も併合し拡大し続けている。
世界的に見れば、アメリカの中央軍の管轄地イラクがあるところが中央であろう。中国は世界史の中でどのような位置づけを自ら行うのだろうか。

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 今から10年前には、中国人が海外に行く時に必ずしなくてはならない準備の一つは人民元を外貨に交換することだった。10年後の今日、中国人観光客が大量のドルを現金で持って東南アジアに出かけるという現象はあまり見られなくなった。タイでは、そこら中にある現金自動預払機(ATM)のほとんどに銀聯のマークが貼ってあり、いつでも現金を引き出すことができる。銀聯カードを受け入れる商店は多く、バンコクの街角にある両替所もほとんどが人民元を受け入れ、売買価格も明示されている。バンコクのある有名な外貨両替所チェーンは人民元専用の交換窓口を設置し、シンガポールの交換所では100元札の大きな画像を看板にしているところが多い。

 シンガポール華僑銀行OCBC)のエコノミスト謝棟銘さんは、シンガポール人民元を使用することの便利さについて述べた際、「金を取り扱うある店の前を通り過ぎたところ、入口に『人民元でのゴールドジュエリーお買いあげを歓迎いたします』という看板があった。シンガポールの商店は、特に金を取り扱う店は人民元の現金を直接受け入れており、人民元の認知度は高い」と述べた。

 タイで3番目の商業銀行とされるカシコン銀行の陳博文執行副総裁(中国業務本部総監を兼任)は、「人民元の両替業務は何年も前からあったが、昨年からタイにやって来る中国人がますます増加していることに注目し始め、人民元のリテール業務をより重視するようになっており、よりよいレートの提供に努めている」と話す。
銀聯公式サイトに発表された統計によると、2005年に銀聯シンガポール、タイなどで業務をスタートしてからこれまでに、シンガポール国内ではほぼすべてのATMで銀聯カードでの現金引き出ができるようになり、特約店は1万店を超えた。チャンギ空港、主要な免税店、ショッピングセンター、ブランド専門店、一部のレストラン、ホテルで銀聯カードの使用が可能だ。タイでは七大商業銀行の数万台に上るATMで、マークのあるなしにかかわらず、銀聯カードでタイバーツを引き出すことができる。タイの銀聯カード特約店は数千店に達し、大型デパートや観光ツアーで訪れる店がその中心だ。銀聯カードが使えるATMには中国語の画面もある。

 中国工商銀行シンガポール支店は昨年3月に人民元業務センターをうち出した。カシコン銀行もこのほど中国語でのサービスを提供する3つの支店を開設した。同行が行った記者会見では中国のスタンダードナンバーである「茉莉花」や「瀏陽河」が流れ、慶事に着る中国式の伝統衣装を着用した同行のトップ達が会見を行った。これから中国語サービス支店をどれくらいうち出すのかとの質問に、陳執行副総裁は、「タイの多くの中学、高校、大学に中国語課程が設置されている。5-6年後には、中国語を学んだ学生が卒業するので、われわれはより多くの従業員を抱えることになるだろう」と笑顔で述べた。

 人民元取引が加速する背景には、拡大を続ける中国・タイ間の貿易や投資の後押しがあり、中国から大勢の観光客がタイを訪れているという後押しもある。両国間の貿易額は01年の70億5千万ドルから11年は647億4千万ドルに増加し、中国の対タイ投資は03年の1億5100万ドルから11年は9億5千万ドルに増加した。またタイを訪れる観光客は01年ののべ約80万人から、11年はのべ176万人を突破し、今年はのべ200万人を超える見込みだ。中国は初めてマレーシアを抜き、タイにとって最大の旅客提供国となった。

 長年にわたり人民元業務に注目してきた謝さんによると、人民元は過去10年間に東南アジアで急速に発展し、広い範囲で普及した。貿易についてみると、09年に中国が人民元の国境を越えた貿易における決済のテスト業務をスタートして以来、タイ、ベトナムラオスミャンマーなどの銀行が人民元業務を積極的に展開するようになり、業務量が急速に増加したという。

 国際銀行間通信協会(SWIFT)がまとめた最新のデータによると、人民元はすでに米ドル、ユーロに次ぎ世界で3番目に「信用証明書」が発行された通貨であり、市場占有率は4%に達する。注目されるのは、海外で人民元貸出市場が立ち上がり始めていることだ。シンガポールでは一部の海外企業が現地の銀行から人民元を借りるようになってきたという。

 謝さんは、シンガポールプライベートバンキングの中心であり、多くの顧客の間で、香港で発行されたオフショア人民元建て債権への需要が高まっていることを特に指摘する。シンガポールの両替所がこのほど明らかにしたところによると、人民元建て決済の債券取引は決済業務の準備が整い、香港に続く人民元オフショアセンターが今、育ちつつあるという。(編集KS)

 「人民網日本語版」2012年8月27日
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