ドラギ総裁、未知の空間に足を踏み入れるか-FRB議長は敬遠(Bloomberg.co.jpから引用)

世界は、とてつもない不景気、恐慌へと突入しようとしているのか。日本は、売れる資産(JT等)を売り、消費税増税をしただけでは、恐慌突入の仲間となるのではないか。それを逃れるには、政府のリストラ、もしくは近隣諸国での戦争による活況がないと難しいだろう。

引用開始
6月27日(ブルームバーグ):欧州中央銀行(ECB)のドラギ総裁は、米連邦準備制度理事会FRB)が敬遠しているトワイライトゾーン(未知の空間)に金利を設定することを真剣に考えている。

ECBの利下げは信頼感改善や貸し出し促進、成長拡大につながるもようだが、下限政策金利である中銀預金金利がゼロ以下に下がることにもなるかもしれない。0.25%からの中銀預金金利引き下げは、てこ入れを図ろうとしている短期金融市場に悪影響を与えかねないことが政策当局者にとって障害となっていたが、もはやタブーではないと、ユーロ圏の中銀当局者2人が15日に語っている。

バークレイズ・キャピタルの欧州担当チーフエコノミスト、ジュリアン・キャロー氏(ロンドン在勤)は、「欧州のリセッション(景気後退)は悪化しており、ECBは追加措置を講じる必要がある」とした上で、「中銀預金金利をマイナスにすることはECBが検討しなければならないことだが、最初の段階としてゼロにする公算が大きい」と述べた。

ドラギ総裁は中銀預金金利をゼロ以下に下げた場合、金融政策当局者がほとんど足を踏み入れたことがない領域に入ることになる。スウェーデン中銀は2009年7月、中銀として初めて中銀預金金利をマイナスに引き下げた。米連邦準備制度理事会FRB)は昨年、準備預金金利について0.25%からの引き下げを控えた。欧州の債務危機でインフレ圧力は緩和し成長も抑制されているため、ECBは中銀預金金利引き下げではマイナスよりプラスの効果が大きいと受け止めているかもしれない。

不合理でない

フランクフルト・トラストの資産配分責任者クリストフ・キント氏は、「金利引き下げは現在の状況では心理的に重要な効果をもたらすだろう」と分析。「マイナス金利は不合理な概念ではない。ただ、ECBが望むような効果が実現するかどうかは分からない」とくぎを刺した。

中銀預金金利がゼロ以下になれば、銀行は過剰流動性をECBに預けることを控え、代わりにその資金を融資に回すことが考えられる。ECBへの預金は1日当たり約8000億ユーロ(約79兆円)に上る。

その一方で、短期金融市場の金利を押し下げて銀行の収益性に痛手を与え、企業や家計への与信を阻むほか、他の金融機関に資金を貸し出す銀行のインセンティブが低下する恐れがある。

ECBの中銀預金金利引き下げを受け、一部の銀行はECBから受けた3年物資金について1年後の返済を認める条項を適用するかもしれない。同条項の適用は金融システムの過剰流動性を縮小する。

こうしたことがECBとドイツ連邦銀行の妥協点になるのではないかと、INGグループのシニアエコノミスト、カルステン・ブルゼスキ氏(ブリュッセル在勤)はみている。独連銀のバイトマン総裁は緩過ぎる流動性供給に伴うリスクを繰り返し警告している。

ブルゼスキ氏は「金利引き下げによる過剰流動性縮小は独連銀にとってかなり興味深いだろう」とした上で、「ドラギ総裁とバイトマン総裁が遭遇するトワイライトゾーンになるかもしれない」と語っている。

原題:Draghi May Enter Twilight Zone Where Bernanke Fears toTread(抜粋)

記事に関する記者への問い合わせ先:フランクフルト Jana Randow jrandow@bloomberg.net

記事についてのエディターへの問い合わせ先:Craig Stirling cstirling1@bloomberg.net
更新日時: 2012/06/27 11:53 JST
引用終了