ユーロ救済策としてEUの機能強化を提案=トリシェ前ECB総裁(REUTERSから引用)

災い転じて福となす、EUの政治統合が進むのだろうか。

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[ワシントン 17日 ロイター] 前欧州中央銀行(ECB)総裁のトリシェ氏は17日の講演で、ユーロ救済策として、例外的な状況において欧州の政治家に国家破綻を認定する権限や、当該国の財政政策を引き継ぐ権限を与え、欧州の通貨統合機能を一層強化することを提案した。ユーロの基本的な弱点に対処するプランとなりそうだ。

ユーロは、欧州の財政や政治の統合に先立ってスタートしたため、常に経済原理と矛盾する事態に直面しており、ギリシャポルトガルアイルランド、スペイン、イタリアといった財政的な苦境に立つ国々とって負担となっている。

トリシェ氏は、欧州連合(EU)において、各国が財政当局機能の大部分を統合政府に移譲するのは政治的に受け入れがたいのではないかと指摘。ある国の財政政策がユーロ圏を脅かす例外的な状況においてのみ、EUの機能を発動させることが1つの方策だと述べた。

同氏は「経済・通貨統合を確固としたものとするために必要であるだけでなく、長期的に考えれば欧州の特質にも合致しているように見える。われわれが大きな(統合された)EU予算を持つことになるとは思えない」と指摘。「これはガバナンスの飛躍的進歩だ。欧州の統合に向け、次に必要なステップであると信じている」と述べた。
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