JPモルガンのトレーダーのポジションで価格ゆがむ−関係者 (Bloomberg.co.jpから引用)

1トレーダーのポジションが報道されるのは異常だ。近いうちに信用が揺らぐ可能性もある。

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4月6日(ブルームバーグ):米銀行大手JPモルガン・チェースで企業の財務力に関連するデリバティブ金融派生商品)を扱っているトレーダーが非常に大きなポジションを取り、数兆ドル規模の市場で価格をゆがめている可能性がある、と外部のトレーダーが語った。

取引相手となっているヘッジファンドやライバル銀行の5人が匿名で語ったところによると、このJPモルガンのトレーダーはブルーノ・イクシル氏。同氏が専門にしているのはクレジット・デリバティブ指数。これは取引所外市場で、企業のデフォルト(債務不履行)の可能性に賭ける市場としてはこの10年で社債を追い越して最大規模になっている。

投資家の間では、イクシル氏の取引が価格をゆがめている可能性があり、多額の債券保有のヘッジとしてクレジット・デリバティブ指数を利用している債券保有者に影響を及ぼしているのではないかとの不満が出ている。アナリストやエコノミストも、企業が新たな融資で支払わねばならない金利の判断にこの指数を利用している。

イクシル氏は自己ポジションを他のトレーダーにほとんど明かしていないが、他のトレーダーはこれらの取引の反対の立場を取っており、同氏の注文はこれまで出合った中で最大の規模だという。2人のヘッジファンド・トレーダーはイクシル氏が市場に参加したとディーラーから告げられた際に、異常に大幅な価格変動が見られたと述べている。

JPモルガンの広報担当、ジョー・エバンジェリスティ氏はイクシル氏の具体的な取引についてコメントしなかった。イクシル氏はコメントを求める電話メッセージや電子メールに回答していない。

イクシル氏のポジションに関する憶測が5日に強まったのは、北米企業の信用リスクの指標であるマークイットCDX北米投資適格指数の最新シリーズ、シリーズ18のスプレッドがニューヨーク時間午後5時13分(日本時間6日午前6時13分)時点で、4.4ベーシスポイント(bp、1bp=0.01%)上昇し、中値97bpを付け、約4カ月ぶりの大幅上昇を見せたことが背景ある。

原題:JPMorgan Trader Iksil’s Heft Is Said to Distort CreditIndexes(抜粋)

記事に関する記者への問い合わせ先:ニューヨーク Stephanie Ruhle sruhle2@bloomberg.net;ニューヨーク Bradley Keoun bkeoun@bloomberg.net;東京 Mary Childs mchilds5@bloomberg.net

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更新日時: 2012/04/06 12:10 JST
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