日経平均急伸し震災日水準上抜ける、流動性期待で金融中心に全面高 (Bloomberg.co.jpから引用)

FRBがQE3を本当に実施したら、円高に少し戻るのではないか。日銀がFRBに合わせて資金供給を増やすのであれば±0や円安もあり得るだろうが。

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3月27日(ブルームバーグ):東京株式相場は大幅高となり、日経平均株価東日本大震災が発生した昨年3月11日終値を上回った。米国の金融緩和の長期化観測を背景に流動性相場持続への期待が広がり、証券や銀行など金融株、輸送用機器や電機など輸出関連株を中心に東証1部33業種はすべて高い。

日経平均株価終値は前日比236円91銭(2.4%)高の1万255円15銭、TOPIXは同20.60ポイント(2.4)%高の872.42とともにきょうの高値引け。日経平均は震災発生日の終値(1万254円)を上回り3月10日以来、およそ1年ぶりの高値を付けた。

みずほ投信投資顧問の岡本佳久執行役員は、「米国での緩和的な金融政策の長期化が、世界経済を支えるとの期待」から、投資家がリスクオンに傾いたと指摘。3月決算銘柄の権利付き最終日を迎え、「配当権利取りを狙った最後の買いも入った」と見ていた。

米連邦準備制度理事会FRB)のバーナンキ議長は26日、バージニア州アーリントンで講演し、米失業率が8.3%に低下したことを歓迎する一方、回復の一段の進展には緩和的な金融政策を維持することが必要との考えを示した。

野村証券佐藤雅彦エクイティ・マーケットアナリストによると、バーナンキ議長発言を受け、「遠のいていた量的緩和第3弾(QE3)観測が再び浮上し、世界的な金融緩和、流動性相場が続くとの期待が高まった」と言う。

円安・ユーロ高も支援、震災直後の「窓」埋め

一方、欧州ではドイツのメルケル首相が26日、債務危機の拡大を阻止するファイアウオールの強化を容認する意向を初めて示唆。また、ドイツのIfo経済研究所がまとめた3月の独企業景況感指数は、6カ月連続で上昇した。欧州の金融安全網増強への期待やドイツ経済の堅調さを受け、為替市場ではユーロが上昇。27日の東京市場で円は対ユーロで一時110円93銭まで売られ、前日の東京株式市場の終了時から1円超円安・ユーロ高に振れた。

業績懸念の後退から、トヨタ自動車日立製作所が52週高値を更新。このほか、東証1部の売買代金上位ではやホンダ、日産自動車ファナックキヤノンなど時価総額上位の輸出関連株が軒並み上げた。三菱UFJフィナンシャル・グループや野村ホールディングス三井物産住友金属鉱山なども上昇。東証1部33業種の上昇率上位には証券・商品先物取引、保険、銀行、不動産、海運、非鉄金属、パルプ・紙、輸送用機器などが並んだ。

野村証の佐藤氏は、日経平均が震災後の日中戻り高値を上抜けてきたことで、「空売り残高の多い不動産株などにはストップロス(損失確定)の買い戻しも入った」と話していた。

水戸証券の須田恭通投資情報部長は、「金融相場の色彩が濃い」とした半面、為替が円安方向に再び戻りつつあり、輸出関連企業などには業績回復を期待した買いが入りやすくなってきたとしている。きょうの日経平均は、震災当日の昨年3月11日と翌営業日との間にできたチャート上の窓(1万49円−1万254円)埋めた。

東証1部の売買高は概算で22億6636万株、売買代金は1兆4191億円。売買代金は前日に比べ3割増えた。騰落銘柄数は上昇1555、下落は77にとどまった。みずほ投信の岡本氏は、「世界経済の動向に敏感な大型株が買いの中心」と指摘。小型株は相対的にさえず、国内新興市場ではジャスダック指数が前日比0.1%高の53.31と4営業日ぶりに小反発、東証マザーズ指数は0.5%安の375.69と3日続落した。

    • Editor:Shintaro Inkyo

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更新日時: 2012/03/27 15:39 JST
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