政府・日銀、円安急進や金利上昇を注視(REUTERSから引用)

景気の先行指標といわれる株価だが、今や景気と同時進行の感もある。これからギリシャショックが深化しても驚かないようにしておこう。

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[東京 15日 ロイター] 政府・日銀関係者がこのところの急激な円安進行や、長期金利の動向を注視している。表向きは「米経済好転に伴う自然な流れ」(幹部)と静観の姿勢だが、日銀が2月に打ち出した「バレンタイン緩和」の円安効果は「想定外」だったもよう。

昨日以降の長期金利上昇についても潮目の変化を示すものなのか分析を急いでいる。

為替市場では15日午前、ドル/円が11カ月ぶりに84円を突破するなど急速な円安が進んでいる。関係者によると、日銀が事実上のインフレ目標である「物価安定の目途」と10兆円の長期国債買い入れ増による追加緩和を打ち出した2月14日時点では、円高修正効果は、戻ってもせいぜい80円程度まで、との見方もあったようだ。

産業界から85─90円台への円安待望論が強いなか、政府・日銀関係者にとって円高修正は歓迎すべきこと。しかし、「さすがに円安進行のピッチが急」(幹部)との声が出始めた。原発稼働停止による液化天然ガス(LNG)の輸入量が増えているため、過度な円安進行は電気料金の引き上げなど国内の高コスト要因となり、輸出競争力の回復効果をそぐ一面がある。経常収支の赤字転落が連想されれば、国債市場の急変につながる可能性がある。

このため長期金利上昇に関係者は神経をとがらせている。現時点では「そもそも矛盾する株高と長期金利の安定は長く続かない。米景気回復が本物であれば長期金利は上昇するのが自然」(幹部)とみる。しかし、「渦中ではわからないのは潮目の変化」(別の幹部)との見方もあり、市場動向から目が離せない状況だ。

(ロイターニュース 竹本能文:編集 内田慎一)
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