ドルが対円で15年ぶり安値接近、対ユーロは上昇=NY市場(REUTERSから引用)

記事の最後にあるように、円ドルに関して、自問自答が続いている。

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[ニューヨーク 19日 ロイター] 19日のニューヨーク外国為替市場では、ドル/円が下落し、一時15年ぶり安値水準に接近した。ただ、弱い内容の米経済指標の発表と株式の大幅安を受けてリスク回避傾向が強まり、ドルは対ユーロでは上昇した。
 米フィラデルフィア地区連銀が発表した8月の製造業業況指数はほぼ1年ぶりにマイナスを記録。また、米労働省が発表した14日までの週の新規失業保険週間申請件数は、昨年11月中旬以来9カ月ぶりの高水準となった。
 これを受けて安全資産を求める買いがドルや円、スイスフランに入った。米景気に対する懸念から米国債利回りが低下したことも円を対ドルで押し上げる要因となったが、一方で日本の当局による市場介入への警戒感から一段の上値を追う展開とはならなかった。
 ウェルズ・ファーゴ(ニューヨーク)の為替ストラテジスト、バシリ・セレブリアコフ氏は「スイスフランと株式市場の動きを見れば、ユーロの軟化はリスク回避の高まりと一致していることが分かるだろう。ただ、日本の当局者の口先介入が強まる可能性を考え、市場は現時点で円高をさらに押し進めていくことには慎重になっていると思う」と述べた。
 ニューヨーク市場終盤の取引でユーロ/ドルEUR=は0.3%安の1.2822ドル。ロイターのデータによると、安値は1.2773ドル。下値支持線は100日移動平均の1.2776ドル付近。
 ドル/円JPY=は0.1%安の85.33円。電子取引システムのEBSでは一時84.89円に下落し、先週つけた15年ぶり安値の84.72円に接近した。
 フィラデルフィア地区連銀の8月の製造業業況指数はマイナス7.7と、業況判断の分かれ目となるゼロを割り込み、エコノミスト予想のプラス7.0を大きく下回った。
 ファロス・トレーディングLLC(コネティカット州)のマネジングディレクター、ダグラス・ボースウィック氏は同指数について、「非常に悪い数字で、2年債利回りの過去最低更新につながった。利回りがこれだけ低いため、ドルは急速に(キャリー取引での)調達通貨になりつつある」と指摘した。
 ICEフューチャーズUS(旧NY商品取引所)のドル指数.DXYは0.3%上昇の82.442。ただ、一連の軟調な米経済指標を背景に景気二番底に対する懸念が再燃するとともに、米連邦準備理事会(FRB)が追加金融緩和に動くとの観測も強まり、ドルの上値は限られた。
 ブラウン・ブラザーズ・バリマンの上級為替ストラテジスト、ウィン・シン氏は「市場参加者は弱い米経済指標を材料にドルを売るべきか、リスク回避の総合的な流れからドルを買うべきか、引き続き自問自答している」と語った。
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