焦点:民主党大敗で財政政策停滞の懸念、高まる日銀への風圧(REUTERS.jpから引用)

アメリカからの横槍もあるとは思うけど、やはり、日本国内での権力闘争があちらこちらでぶつかりあっているようだ。日銀がいくらお金をばら撒いても、日本国債米国債になってしまうのであれば、景気の回復にあまり影響はない。日銀対財務省の戦いは、日銀総裁の首までかける戦いになるのか。
賢い国民の代表である賢い議員が、官僚の上に立ち、国を引っ張っていくというのは幻想なんだろうか。自民党は、本来使うべき官僚にいいように使われて没落し、民主党もだまされる。メディアは、国民のためではなく自己保身のために官僚と組む。これじゃ、国民は国やメディアを頼らず、生きる道を模索するしかない。

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[東京 12日 ロイター] 参院選挙での民主党大敗を受けて、消費税率引き上げ議論の後退やその他の経済政策が停滞する懸念が強まっている。みんなの党自民党など野党の発言力が高まり、デフレ脱却や景気下支えに向け、金融政策への風圧が強まることは必至と見られている。

  <景気への悪影響は必至、金融政策依存度高まる> 

 今回の参院選挙で民主党が大敗したことにより、経済政策への影響は3点考えられる。1つは「大敗の主因は拙速な消費増税議論」との解釈が世の中で定着してしまうことで財政再建が大幅に遅れる可能性、2つ目は与党内の権力争いやねじれ国会により政策が停滞するおそれ、そして3つ目は金融政策への風圧が高まる可能性だ。 
 1つ目の財政再建の遅れは日本経済にとって望ましくないとの見方がエコノミスト間では大勢だ。JPモルガン証券・チーフエコノミスト菅野雅明氏は「財政再建の途は遠のき、中長期的に見ると日本経済にとっても不幸な出来事」と懸念を示す。
 いまだ巨大な需給ギャップを抱え、デフレの状態が続いているにもかかわらず、財政政策の自由度も失った状態では掲げた政策の実施もままらないことは証明済みだ。経常黒字国という意味で財政状況に余裕のある事や、先行き不透明感のある景気への配慮も必要なことから、実施時期は慎重を要するとしても、議論はスタートさせるべき時にきていたはず。
 選挙結果を受けて「消費税引き上げは鬼門」との認識が広がれば、このまま財政政策の発動がままならない状態が続き、景気にも国民政策にも中長期的に決して良い影響はない。こうした状態のもとでは、「金融政策への依存度が高まる可能性は高い」(みずほ証券・シニアエコノミスト・飯塚尚己氏)と指摘する声がエコノミストの間で目立つ。 

  <日銀が最も恐れていた結果> 
 2つ目の与党内権力争いやねじれ国会となる展開も経済政策への影響は深刻だ。民主党は「野党の協力をしっかり仰いでいかないといけない」(細野豪志幹事長代理)立場に追い込まれており、みんなの党自民党の発言力が高まりそうだ。
民主党とこれらの党に共通している政策で最も一致しやすい点は金融政策の活用とみられる。みずほ証券の飯塚氏は「みんなの党の主張で民主党が最も受け入れやすいのは金融政策」と見ている。
 もともと菅直人首相が財務相時代に強力なデフレファイターとして日銀に対して厳しい発言をしてきたほか、民主党自体が政権与党となった途端に日銀の予想に反して金融政策に厳しい態度で臨むようになった経緯がある。みんなの党渡辺喜美代表も以前からデフレ脱却と日銀法改正に言及しており、参院選明けの12日には「デフレ脱却法案を提出する際には、日銀法改正で雇用の最大化を盛り込みたい」と発言している。両党ともに金融政策に責任を負わせるわかりやすい構図で一致する可能性は高いとみられる。 
 クレィデイスイス証券・チーフエコノミスト白川浩道氏は「自民・みんなの党ともに金融緩和によるデフレ脱却に極めて前向きである。民主党大敗を最も警戒していたのは日銀だろう」と指摘する。 

  <年内の景気次第では追加緩和圧力高まる> 
 実際、日銀内からも参院選民主党が大敗した場合について懸念の声が漏れていた。白川総裁と菅首相の定期協議が始まったばかりにもかからわず、9月の民主党代表選での代表交代も視野に入れなければならず、その場合は新しい首相と関係を構築する必要がある。各党がデフレの原因を金融政策に押しつけ、インフレターゲットの導入を主張している点に懸念もある。 
 最近の民主党政権について「日銀の政策には理解を示しており、今後、強烈なプレッシャーがかかることはないのではないか。日銀も導入した後、解除が困難になるような策は取らないのではないか」(みずほインベスター証券の落合昂二チーフマーケットエコノミスト)と、政府と日銀に良識的な対応を期待する声もあるが、政治情勢次第では金融政策に依存せざるを得ない展開も十分ありうるとの見方が大勢だ。
 日銀自身、今年後半の景気に自信が持てない状況にある。政策効果のはく落や、欧州財政問題・中国景気の減速懸念、円高などで、不透明感が強まっているとみている。「景気の情勢や民主党の連携相手次第では、秋ごろには緩和圧力が高まる可能性がある」(日興コーディアル証券・チーフマーケットエコノミスト・岩下真理氏)との見方も浮上している。 
 (ロイター日本語ニュース 中川泉記者;取材強力:竹本能文、児玉成夫 編集 石田仁志)
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