ロシア、中国に天然ガスを供給―原油輸出も倍増(WSJ日本版から引用)

みな自国の国益を考えて外交を進めている。

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【モスクワ】ロシアは22日、10年に及ぶ交渉の末に中国に天然ガスを供給する契約を締結した。これにより中国はドイツを抜いてロシア産ガスの最大輸入国となる可能性が出てきた。

 両国が達したエネルギー関連の合意は、この他にロシアの原油供給を倍増したり、中国の国営原油会社にロシア国内の油田に出資させることなどを含んでおり、世界最大のエネルギー源産出国であるロシアと、最大の消費国である中国の関係をさらに緊密化するものだ。
国家主席就任後初めての外国訪問としてロシアを訪れている習近平氏は、モスクワのクレムリン宮殿での式典で一連の合意を「飛躍の突破口」と絶賛した。一方、プーチン大統領は習主席の訪問が両国の「長期にわたる歴史的な結果」を生むことになろうと語った。

 ロシアの巨大な国営ガス会社であるガスプロムによると、今年末までに期間30年の天然ガス供給契約を中国と結ぶことになるという。同社はこのところ主要輸出先である欧州市場の需要減退と規制強化の圧力に苦闘している。

 契約調印式を終えて、記者の質問に応じた最高経営責任者(CEO)のアレクセイ・ミラーしによると、今回の契約条件では、年間380億立方メートル分の天然ガス供給が2018年に開始され、最終的に600億立方メートルまで増える可能性がある。これまでロシア天然ガスの最大の消費国であるドイツは昨年330億立方メートル分を輸入している。

 中露両国は長年にわたり交渉を続けていたが、価格で折り合いがつかずにいた。ただ、ガスプロムの最大の稼ぎ先である欧州市場への販売価格が下がっていることから、両国の価格面での歩み寄りが出来つつあるようだ。ガスプロムは今後2、3カ月のうちに価格での最終合意に到達したいとしている。ミラーCEOは、ガスプロムが価格の割引をするため、中国が代金を前払いする可能性もあると述べた。

 欧州が規制圧力を強めるなかで、ガスプロムは長い間アジア諸国へのガス供給を増やすと欧州を牽制していた。実際、欧州連合EU)が昨年秋にガスプロム独占禁止法違反での調査を開始した後は、アジアへの輸出を増やす計画を加速させていた。

 一方、ロシア国営のロスネフチは同日、中国への原油輸出を倍増し1年で3100万トンとする契約に署名した。ロスネフチは21日、国内3位の同業TNK-BPの買収を完了し世界最大の原油生産会社となったが、中国に対してはこれまで09年に結んだ契約で年1500万トンを供給していた。期間25年の新契約では、ロスネフチが中国の国営開発銀行から20億ドル(約1890億円)の融資を受けることも含まれている。
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