中国副主席に李源潮氏 胡氏が推薦、党長老ら反発 (日本経済新聞から引用)

さて、どう動きだすのだろうか。

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【北京=島田学】中国の全国人民代表大会全人代、国会に相当)は14日、国家副主席に李源潮共産党政治局員を選んだ。党最高指導部の政治局常務委員でない副主席は15年ぶり。党青年組織、共産主義青年団共青団)出身の胡錦濤国家主席が、同じ出身の李氏を推した。李氏の選出には投票総数2956票のうち117票の反対・棄権票が出た。権力闘争の火種は消えていない。

■反対票数にどよめき

 人民大会堂の議事場前方の大型スクリーンが李氏への反対票数を映し出した瞬間、場内からは驚きを含んだ「うおー」というどよめきが湧いた。

 新副主席として紹介された李氏は、左手でスーツの上着を押さえながら壇上の席で立ち上がり、口を真一文字に結んで深々と頭を下げた。

 もともと李氏は昨年11月の党大会を経て、党トップ7にあたる常務委員に昇格することが有力だった。ただ党長老らが、李氏を通じて胡氏が影響力を強めることを嫌い、李氏の過去の発言などを持ち出して激しく攻撃。党大会直前になって常務委員入りが見送られた。

 今回、副主席に選ばれたことで、かろうじて常務委員に準じた地位を得た。2017年の次期党大会では常務委員に昇格するとみられている。

 李氏への反発は、昨年までの5年間、党の中央・地方人事を一手に担う党組織部長を務めていたことも大きい。李氏は党改革の一環で、党長老らの縁戚という理由だけでは地方の党幹部に起用しない方針を決めた。これが党の長老や老幹部の子弟ら「太子党」の反発を招いた。

共青団出身だが太子党の一人

 一方で、地方の党幹部に多くの共青団出身者が起用され、太子党からは「共青団関係者を優遇している」との不満があがっていた。今年に入って副主席に内定した後も、党内の一部から李氏が組織部長時代に不正を働いたとの告発が相次ぎ、一時は副主席のポストを劉雲山常務委員に代える案も取りざたされた。

 ただ、李氏は太子党の有力者である習近平国家主席との関係は悪くはない。先の党改革や人材育成計画も習氏との二人三脚で進めたといわれる。李氏は共青団出身であるとともに、元上海市副市長を父に持つ太子党の一人でもある。「迷彩服を着た男」――。党内を二分する両勢力にまたがる豊かな人脈を持ち、こう呼ばれる李氏。習政権で陰の実力者となる可能性も秘めている。

習近平国家主席 地方の経験豊富



 (Xi Jinping=シー・ジンピン) 習仲勲元副首相を父親に持つ「太子党」だが、文化大革命時代に農村で厳しい労働を体験した。79年清華大化工学部卒。福建省浙江省と南部の沿海部での地方勤務経験が豊富。妻は国民的歌手の彭麗媛さん。59歳。

 

張徳江全人代委員長 北朝鮮の事情通



 (Zhang Dejiang=ジャン・ドゥージアン) 北朝鮮金日成総合大に留学し、北朝鮮の事情に詳しい。吉林、浙江、広東各省の共産党委員会書記を務め、08年に工業・交通担当の副首相。12年の薄熙来氏失脚後の重慶市の混乱を同市書記として収拾。66歳。

 

李源潮・国家副主席 日本に理解深く



 (Li Yuanchao=リー・ユアンチャオ) 胡錦濤前総書記の基盤、共産主義青年団共青団)系であり、幹部子弟の「太子党」でもある。82年復旦大数学学部卒。企業誘致や共青団の活動を通じ、日本への理解も深いとされる。07年から中央組織部長を務めた。62歳。

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