ドル93円後半で軟調、G20終え首相・財務相の発言に変化(REUTERSから引用)

しばし調整、なんだろうか。

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[東京 19日 ロイター] 東京外為市場午後3時のドル/円は、ロンドン市場午後3時時点に比べてドル安/円高の93円後半。株安に加え、麻生太郎財務相による外債購入の「考えはない」との発言や、安倍晋三首相による「為替についてコメントするのは適切でない」との発言が伝わり、ドル/円は軟調に推移した。

20カ国・地域(G20)財務相中央銀行総裁会議を終えて両氏の発言に変化が出てきたことで、市場ではドル/円の上昇ピッチが鈍化するとの見方が出ている。

朝方、麻生財務相が金融緩和手段としての外債購入について「考えはない」と否定すると、ドル/円は93.56円、ユーロ/円も124.87円まで下落した。ただ、安倍首相が18日にデフレ脱却に向けた金融緩和の手段に関して、外債を買うという考え方もあるとの見方を示しており、「(財務相の)発言の意図が分からないので、とりあえずは売った分の買い戻しになった」(外銀)とされ、ドルは間もなく下落分を取り戻した。

しかし、午後にかけてドル/円、ユーロ/円はともに軟調に推移した。中国市場では上海総合指数.SSECが1%を超える下げとなったほか、東京株式市場でも日経平均.N225がマイナス圏で推移し、円売り機運は盛り上がらなかった。午後の参議院予算委員会で、安倍首相が「為替についてコメントするのは適切でない」と発言すると、やや円買いに振れた。

バークレイズ銀行・トレーディング部の小川統也ディレクターは、麻生財務相、安倍首相のこの日の発言について「G20で日本が名指しで非難されることはなかったにしても、裏では相当いろいろなことを言われたのだろう。彼らの話し方がきょう若干変わってきている」と指摘。先行き、ドル/円の上昇スピードは鈍化するとみている。

他方、大手信託銀行の関係者は、G20を通過して、今後は日米の景況感格差に注目が向かうことでドル/円が一段と上昇する可能性があるとみている。

「G20の前に94円前半から92円前半まで下落したことでポジションはきれいになっている」とした上で、「タイミングは不明瞭ながら、上値をトライする場面が来るだろう。今後は日米の景況感の格差に目が移っていくのではないか。米国の方が数字が良くなったり、世界的に株価が回復してきたりという局面になると、日本よりも先に緩和が終了という形が見えてくる。そのタイミングで、ドル/円は円売りよりもドル買いになってもう一段上がっていくのではないか」と話した。

(ロイターニュース 和田崇彦)
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