米国債:続落、利回りは10月以来の大幅上昇−米財政合意で (Bloomberg.co.jpから引用)

2カ月先送り。

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1月2日(ブルームバーグ):米国債相場は続落。10年債利回りは約2カ月ぶりの大幅上昇となった。米議会が財政法案を可決したことで景気拡大基調が持続するとの観測が広がり、安全とされる米国債に逃避する動きが後退した。

利回りは昨年10月25日以来の高水準をつけた。「財政の崖」回避の方法をめぐり交渉が行き詰まっていた政府と議会は、大半の世帯の所得税増税を避ける法案で合意、議会はこれを可決した。議会は次に連邦債務上限 引き上げの問題に取り組む必要がある。債務は12月末に現行の法定上限である16兆4000億ドルに達した。

ED&Fマン・キャピタル・マーケッツ(ニューヨーク)の債券取引部門シニア・バイス・プレジデント、マイケル・フランゼーズ氏は、「債券を手放す動きが広がっている。一定の措置が施され、当面の歳出削減や大規模な増税は回避された」と指摘。もっとも、「今度は債務上限の問題が迫っており、米国債は買いの好機だ」と述べた。

ブルームバーグ・ボンド・トレーダーによれば、ニューヨーク時間午後5時現在、10年債利回り は前営業日比8ベーシスポイント(bp、1bp=0.01%)上昇の1.84%。一時は9bp上昇し、昨年10月17日以来の大幅上昇となった。同年債(表面利率1.625%、2022年11月償還)価格は23/32下げて98 3/32。

30年債利回りは一時10bp上昇し、日中ベースでは昨年9月14日以来の大幅な上げとなった。

「楽観が支配」

ブルームバーグがまとめたエコノミスト調査の中央値によると、10年債利回りは年末に2.2%へ上昇すると予想されている。別の調査によれば、30年債利回りは3.3%で今年を終了する見通し。

RWプレスプリッチの政府・機関債取引担当マネジングディレクター、ラリー・ミルスタイン氏(ニューヨーク在勤)は、「安全性を求める買いは一巡している」と指摘。「楽観が支配している」と話した。

米下院本会議は上院が既に可決していた法案を1日夜に可決した。これにより直ちに痛みを伴う財政の崖は避けられたが、財政赤字抑制に向けた小さな一歩にすぎず、連邦債務の上限の引き上げをめぐって2月に再び与野党が対立する公算が大きい。  

格付け会社ムーディーズ・インベスターズ・サービスは2日、今回議会を通過した法案は格下げ回避のため、債務拡大を抑制するには不十分との見解を示した。  

米格付け

ムーディーズは発表文で、今回の合意は「中期的な連邦債務比率の意義ある改善に向けた基盤」にはならないと指摘。一段の措置が今後数カ月間に講じられる可能性は高いが、格付けの見通しが現在の「ネガティブ」から「ステーブル」に戻るためには、さらなる財政赤字削減につながる「措置が不可欠だ。一段の赤字削減策が欠如すれば、格付けにマイナスの影響を及ぼす恐れがある」と続けた。

格付け会社スタンダード・アンド・プアーズ(S&P)は2011年に米格付けを最上級の「AAA」から引き下げた。

NY連銀は量的緩和策の一環として決定した月額450億ドルの国債購入を3日に開始する。

原題:Treasury Yields Rise Most Since October on U.S. BudgetAgreement(抜粋)

記事に関する記者への問い合わせ先:ニューヨーク Susanne Walker swalker33@bloomberg.net

記事についてのエディターへの問い合わせ先:Robert Burgess bburgess@bloomberg.net
更新日時: 2013/01/03 07:51 JST
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