日銀総裁:目指すべき物価「3%は現実的でない」−独立性尊重求める (Bloomberg.co.jpから引用)

今までの価値観を変えるような技術革新がない限り、高率成長は望めないし、望む方が無理というものだ。
国債を際限なく買い取り始めれば、早々に破綻してしまう可能性が高い。
まずは機会の平等を達成させるべく、責任を取らないが権力を握り官僚から権力を取り上げるのが一番ではないのか。官僚の優秀さ、必要性は変わりがないのだから、多少の権力は残るのだろうが、あまりにも一般庶民とかけ離れて中国の官僚に近づいているのではないか。

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11月20日ブルームバーグ):日本銀行白川方明総裁は20日午後、記者会見で、目指すべき物価上昇率として自民党安倍晋三総裁が言及した3%は「現実的ではない。経済に対する悪影響が大きい」と語った。日銀法改正問題については「中央銀行の独立性をぜひ尊重してほしい」と述べるとともに、「改正の議論を行うなら、十分時間をかけて慎重な検討が必要」と述べた。

白川総裁は「3%という物価 上昇率を国民が物価が安定していると感じられるかどうか、慎重に検討する必要がある」と指摘。「国民が望んでいるデフレ脱却というのは、単に物価だけが上昇する事態ではなく、企業収益や雇用増加、賃金増加を伴って、経済全体が改善し、その結果として物価が緩やかに上昇していく状態だ」と述べた。

さらに、「仮に今まで経験したことがない物価上昇率を掲げ、政策を総動員していくとして、その物価上昇率だけが信じられた場合には、長期金利がまず上がってしまう」と指摘。「これは財政再建にも悪影響が出るし、実体経済にも悪影響が出る。特に日本の場合は金融機関が国債を大量に保有しているので、保有国債のキャピタルロスを通じて、金融機関が実体経済を支えている力も低下していく」と述べた。

安倍総裁は15日の講演で「一番いいのはインフレ目標を持つことだ」と言明。「2%がいいのか3%がいいのかは専門家に議論して判断してもらいたい」としながらも、その達成のために「無制限に緩和をしていくことで初めて市場は反応していく」と述べた。日銀は中長期的な物価安定のめどとして、消費者物価指数(CPI)前年比上昇率で2%以下のプラスの領域にあり、当面1%を目指すとしている。

1%より高まっていく可能性も

白川総裁は「デフレからの脱却は成長力の強化と、金融面からの後押しの両方がそろって初めて実現するものだ」と指摘。「日銀としては政府の強力な取り組みを強く期待している」とした上で、「そうした成長力強化への取り組みの成果が上がっていった場合は、目指すべき物価上昇率が1%より高まっていく」とし、「日銀としてはそうした可能性も十分念頭に置いて、中長期的な物価安定のめどについて、原則ほぼ1年ごとに点検していく方針だ」と語った。

安倍総裁が言及したマイナス金利については「先進国で大規模で実施したケースはない」と指摘。その上で「さまざまな金融・経済に関する経験を踏まえて、このマイナス金利については、大きく4つの論点が指摘されている」と述べた。

具体的には、①市場参加者がいざ必要な際に資金調達ができるという安心感がなくなり、経済にショックが加わった場合に流動性に不安が生じる②中央銀行当座預金に大幅なマイナス金利を適用すると、額面が保証されマイナス金利がつかない銀行券に大規模な資金シフトが生じる③金融機関がマイナス金利のコストを貸出金利に上乗せし、結果的に企業が直面する金融環境が引き締まる④金融機関は当座預金に資金を預けるとコストが掛かるので、オペに応じなくなってくる−と指摘した。

国債引き受け

日銀の国債引き受けについては「先進国でそうしたことが行われていないとうだけでなく、発展途上国についても、例えば国際通貨基金IMF)が中央銀行制度にする助言を行う際、行ってはならない項目リストの最上位に掲げられている」と言明。

その上で「中央銀行は通貨を発行する権限を有している。その権限をバックに国債の引き受け、あるいは引き受けに類似の行為を行うと、通貨の発行に歯止めが効かなくなり、その結果さまざまな問題が生じるという、内外の歴史の教訓を踏まえたものだと感じている」と述べた。

記事についての記者への問い合わせ先:東京 日高正裕 mhidaka@bloomberg.net

記事についてのエディターへの問い合わせ先:大久保義人 yokubo1@bloomberg.net;Paul Panckhurst ppanckhurst@bloomberg.net
更新日時: 2012/11/20 17:55 JST
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