仏社会党、過半数確保へ―国民議会決選投票(WSJ日本版から引用)

フランス議会選挙は、大統領と同じ政党グループが勝った。

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 【パリ】17日に行われた仏国民議会(下院、定数577)の決選投票では、世論調査会社CSAの予測によると、社会党を中心とする左派連合がリードし、322議席前後を獲得する見通しとなっている。オランド大統領は同国経済再生とユーロ圏の問題解決に必要としている過半数議席を確保する見込みだ。

上院では既に左派連合が過半を制しているため、オランド大統領はその政策を進める上で議会の支援を得られることになる。

 しかし、仏経済の停滞とギリシャの再選挙で連立政権が誕生できるのかどうか不透明なことを背景に、大統領は、年間1万2000人の公務員採用など支出を伴う提案の一部を棚上げし、支出削減と増税の組み合わせという不人気な政策を取らざるを得なくなる可能性もある。

 オランド政権は、厳しい政策は必要だとしながらも、同国財政赤字の対GDP(国民総生産)比率を今年の4.5%から2013年に3%にまで引き下げる目標を具体的にどう実現するのかは明らかにしていない。

 エロー首相は17日のテレビ放送で、「皆がよく知っているように、状況は非常に厳しい」と語った。

 オランド大統領はまた、欧州の債務危機の解決と経済成長をめぐってはフランスとドイツの間にまだ溝があることから、欧州サイドでの問題にも取り組まなければならないかもしれない。オランド氏は5月に大統領に就任して以来、スペインやイタリアが負担可能な費用で借り入れできるようにするために、各国が共同で発行するユーロ債券の導入案を支持している。しかし、ドイツのメルケル首相は、こうした新たな支援策には一段の政治的統合深化が必要だと警告している。

 フランス国民は欧州連合EU)へのこれ以上の主権移譲には消極的なことから、独仏の見解の相違は行き詰まり状態に入り込む恐れがある。

 決選投票の暫定結果によると、フランスの有権者は17日、少なくとも2人の極右・国民戦線(FN)の候補者を議員に選んだ。同党の議員は20年ぶりだ。同党は反欧州を旗印に掲げている。ルペン党首自身は落選したが、党の創設者ジャン=マリー・ルペン氏の孫娘で22歳のマリオン・マレシャル=ルペン氏が当選した。

 全体では社会党とその友党が322議席程度を獲得した模様だ。この結果、オランド大統領は環境保護政党「緑の党・欧州エコロジー」と急進左派の左翼線線からの支援は必要なくなった。サルコジ前政権与党の右派・国民運動連合(UMP)とその友党は218議席にとどまり、オランド政権と闘うには不十分な数だが、事前の予想は上回った。

 仏西部のシャラントマリティム選挙区では、オランド大統領の元パートナーで4人の子どもの母親であるセゴレーヌ・ロワイヤル氏が、社会党から決別して無所属で立候補した女性候補に敗れた。大統領の現在のパートナー、バレリー・トリルベレール氏はツイッターで、ロワイヤル氏の対立候補を応援していた。

記者: David Gauthier-Villars、Gabriele Parussini
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