欧州首脳に新興市場国が最後通告、危機対応強化を−G20前に (Bloomberg.co.jpから引用)

ヨロッパの尻拭いをするのは、ご免こうむりたい、新興諸国。結局日本は尻拭いをすることになるのか。

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6月17日(ブルームバーグ):18、19両日にメキシコのロスカボスで開かれる20カ国・地域(G20)サミットに参加する欧州首脳は中国やインドネシアなどの新興市場国から、市場の不安をかき立てるのをやめ、世界経済への最大のリスクとなっている金融危機への対応を強化するよう最後通告を突きつけられた。

中国は世界の首脳に、市場に「信頼感」のシグナルを送るよう圧力をかけた。一方、インドネシアのユドヨノ大統領は17日、ユーロ圏の混乱が東南アジア最大の同国経済に飛び火しており、石油価格を押し上げる恐れがあると警告した。

同大統領はロスカボスでの講演で、「ユーロ圏の危機の規模と重大さを強く懸念している」とした上で、「欧州首脳が何とかして危機管理の厳密な方法で合意に達することを望む。こうした方法が得られなければ、不安に陥れるような影響が私たちみんなに及ぶだろう」と指摘した。

2日間の日程で開かれるG20首脳会議の主要議題は、欧州の金融危機と、その世界経済への影響となる。17日のギリシャ再選挙では、緊縮派の2政党が合わせて過半数議席を確保し、同国のユーロ圏離脱のリスクは後退したが、今度は借り入れコストが過去最高に達しているスペインが新たな焦点となっている。

漸進的な措置が不安増幅

世界銀行のゼーリック総裁はロスカボスでのパネル討論会で、欧州首脳の「漸進的」な措置が市場の不安を増幅させたと指摘。1000億ユーロ(約10兆円)規模のスペインの銀行支援の発表さえも失敗に終わったと付け加えた。

6月末に退任するゼーリック総裁は、「今度の会議は極めて重大な時期に開かれる。われわれは欧州が今後どうするか明らかにするのを待っている」と発言。「政策決定のこうしたパターンが不安を拡大させ、市場が一段と神経質になることが、われわれが招いている危険だ」と説明した。

中国の胡錦濤国家主席は中国外務省ウェブサイトに17日掲載されたメキシコ紙との書面でのインタビューで、G20は「欧州の取り組みを奨励・支援し、共同で市場に信頼感をもたらす」ため、「建設的かつ協調的なアプローチ」を採用すべきだと述べた。

G20議長国メキシコのカルデロン大統領は16日、世界の首脳は今回の会議で国際通貨基金IMF)の資金基盤強化について、4月に合意した4300億ドル(約34兆円)から増額するとの見通しを示している。

原題:Europe Gets Crisis Ultimatum From Emerging Markets as G-20Meets(抜粋)

記事に関する記者への問い合わせ先:Los Cabos Aki Ito aito16@bloomberg.net;Los Cabos Sandrine Rastello srastello@bloomberg.net

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更新日時: 2012/06/18 10:25 JST
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