最近の日本の一連の動きの小さな狙いと大きな流れ(人民網日本版から引用)

中国から見た日本はこのように見えるということ。

引用開始
最近、日本が非常に騒がしい。敏感な時期に練習艦をフィリピンに派遣し、第6回太平洋・島サミットに米国の参加を強く要請し、太平洋島嶼国に今後3年間で5億ドルの援助を約束した。しばらくわめき立てていた釣魚島(日本名・尖閣諸島)購入や、沖ノ鳥礁を基点とする大陸棚拡大は言うまでもない。次々と繰り出す小細工の背後にあるものは何か?人民日報海外版が伝えた。

 5月28日、海上自衛隊練習艦3隻が5日間の「親善訪問」のためフィリピンに到着した。フィリピン軍当局は型通りの訪問だと強調しているが、日本の軍艦の訪問は米比同盟への支持を表明するとともに、海洋主権問題をめぐる日比同盟を構築することが目的との見方が一般的だ。

 ■慌ただしい動き

 日本は最近慌ただしく動き続けている。4月16日には自衛隊が米比定期合同軍事演習に初参加。5月18日にはフィリピン国防相が、日本が年内に同国の沿岸警備隊に少なくとも巡視艇10隻を供与することを認めた。日本はフィリピンにはたから口を出して加勢し続けている。

 先日閉幕した第6回太平洋・島サミットで各国は「各国の航行の自由の尊重」という趣旨の下、海洋安全保障問題を初めて議題にした。1997年から3年ごとに開催されているこの会議は、日本がことのほか重視しているため、世界の関心も高い。野田佳彦首相は閉幕後の記者会見で、太平洋島嶼国に今後3年間で最大5億ドルの政府開発援助を行うと発表した。野田首相は会議は特定の国を念頭に置いたものではないと絶えず強調しているが、日本メディアはいずれも「中国牽制」が目的だと率直に指摘している。
 ■小さな狙い

 日本の狙いを言い当てるのは実は難しくない。日本が長年ひたすら追い求めている夢に国連安保理常任理事国入りがある。南太平洋の島嶼国は国土が小さく人口も少ないが、国連では等しく一票を持っている。太平洋・島サミットに出席した13カ国・地域が日本の目に香ばしい13票と映っていることは間違いない。これは日本が長年来、ここに大金をばらまいてきた大きな目的であり、多くの困難を抱えながらも無理して今年も資金を投入した最大の理由でもある。

 太平洋・島サミットであれ、南中国海での最近のもろもろの動きであれ、日本の活発な動きは中国要素と切り離せない。近年中国は急速な経済成長を続け、2008年の金融危機発生後は国際社会への影響力を日に日に高めている。翻って日本を見ると、世界第2の経済大国の座を失った後、甚大な災害にも見舞われ、経済は現在難航している。この対照的な盛衰を前に日本は恐れ、慌て始めている。安保理常任理事国入りという長年来の夢の背後には、実は変わらぬ大国の夢がある。地域における中国との影響力争いが、日本にとって解決困難な悩み事となったのだ。

 もちろん、日本の最近の騒がしい動きと米国の仰々しい「アジア太平洋回帰」戦略は緊密に関係している。日本は米国に相乗りすることで、地域における自らの影響力を高めることを望んでいると見られる。

 「米国の『アジア太平洋回帰』に日本やフィリピンは自らの重みが増したと感じ、活気づき、まるで後押しを得たかのように感じている」。中国社会科学院米国研究所の黄平所長は本紙の取材にこう指摘した。
■大きな流れ

 日本の騒ぎは野心が丸見えだと言っていい。だが一体どれほどの効果があるだろうか。米国であれ太平洋島嶼国であれ、最も重視するのは当然自国の利益だ。日本が苦心惨憺しても、期待した成果を得るのはおそらく難しい。

 ある専門家は「政治面の信頼はないが、経済面では中日は協力を強化し続け、日本は対中依存度を高め続けている。日本は中国に面倒をかけることができるだけで、真の脅威になる力はない」と指摘した。

 中日の経済関係は一層の緊密化へと向かっている。6月1日には円と人民元の直接取引が始まる。これは2国間金融関係の強化に向けて昨年両国が合意した内容の1つだ。日本の安住淳財務相は「円と人民元の取引に米ドルを介する必要がなくなる。金融機関の取引コストや決済リスクを軽減し、両国通貨の使用範囲の拡大、東京市場の活性化にも寄与する」と指摘した。

 外交部の劉為民報道官が28日に表明したように、中国と太平洋島嶼国との友好協力関係の発展は地域の安定、発展、繁栄の促進に積極的な貢献を果たしてきた。中国は他の国と太平洋島嶼国との友好協力関係の発展を歓迎し、関係国間の協力がアジア太平洋地域の共同発展・繁栄に寄与することを希望している。(編集NA)

 「人民網日本語版」2012年5月31日