債券先物反落、円安基調や今週2回の入札が重し−米金利低下が下支え (Bloomberg.co.jpから引用)

3月1日を過ぎれば、ドル円も取り敢えずは落ち着くのだろうか。

引用開始
2月27日(ブルームバーグ):債券先物相場は反落。為替市場での円安基調や今週に2回の利付国債入札を控えていることが重しとなった。半面、米国市場で長期金利が低下したことが下支え要因。

パインブリッジ・インベストメンツ運用本部の松川忠債券運用部長は、「円安が進んでいることが相場の上値を抑えている半面、米長期金利は落ち着いており、一方的な売りが出る感じではない」と指摘した。あすに2年債入札、3月1日には10年債入札が予定されており、「供給が多いこともあって重たい展開」だとも言う。

東京先物市場で中心限月3月物は、前週末比6銭安い142円48銭で始まったが、直後に買いが増えると3銭高の142円57銭まで上昇。午後に入ると再び売りが優勢となり、1時過ぎには8銭安まで下落したが、終了にかけてやや戻し、結局は1銭安の142円53銭で引けた。

トヨタアセットマネジメントの浜崎優チーフストラテジストは、円安に振れているにもかかわらず、相場下落は限定的と指摘した上で、「買い遅れている投資家は、押し目買い意欲が強く、新発10年債利回りが1%に近づくと買いが入る展開が続いている」と説明した。

東京外為市場では、円は対ユーロと対ドルで一段と下落。中国人民銀行中央銀行)の周小川総裁は国際通貨基金IMF)の資金枠増強で中国が役割を果たすと述べた。円は1ユーロ=109円93銭、1ドル=81円67銭までそれぞれ下げたが、その後は買われている。

一方、24日の米国債相場は上昇。米10年債利回りは前日比2ベーシスポイント(bp)低下の1.98%程度。ニューヨーク連銀が長期国債19億3000万ドル相当を購入したことや、原油価格の高騰で経済成長が脅かされるとの懸念が背景。SMBC日興証券の野村真司チーフ債券ストラテジストは、米長期金利の低位安定が下支えになるとの見方を示していた。

         長期金利一時0.975%

現物債市場で長期金利の指標となる新発10年物の320回債利回りは前週末比横ばいの0.97%で始まり、午前は同水準で推移。午後1時前に0.5bp高い0.975%に上昇。その後は0.97−0.975%で推移。

日銀が27日実施した資産買い入れ等基金による国債買い入れオペでは、予定額5000億円に対して、応札額は2兆6456億円となった。応札倍率は5.28倍となり、前回15日の2.13倍を大幅に上回った。案分利回り較差はプラス0.007%、案分比率は87.6%だった。

20年物の133回債利回りは横ばいの1.755%で始まり、その後は1.755−1.76%で推移。30年物35回債利回りは0.5bp高い1.94%で始まったが、その後は横ばいの1.935%で取引されている。

         あす2年入札、利率据え置きか

財務省はあす28日、2年利付国債(3月債)入札を実施する。前週末の入札前取引では0.11%程度で推移しており、表面利率(クーポン)は3回連続で0.1%に据え置かれる見込み。発行額は前回債と同額の2兆7000億円程度。

今回の2年債入札では、日銀の金融緩和姿勢を背景に無難な結果が見込まれている。三菱UFJモルガン・スタンレー証券の稲留克俊債券ストラテジストは、「為替市場で円安に振れているものの、日銀の追加緩和の影響がポジティブに効いている。あすの2年債入札も、日銀の緩和姿勢を背景に、問題なく通過できる」と予想している。

記事に関する記者への問い合わせ先:東京 池田祐美Yumi Ikeda yikeda4@bloomberg.net

記事に関するエディターへの問い合わせ先:東京 大久保義人 Yoshito Okubo yokubo1@bloomberg.net

Rocky Swift+81-3-3201-2078 or rswift5@bloomberg.net
更新日時: 2012/02/27 15:48 JST
引用終了