米モルガンS:ボーナス支給繰り延べの拡大、株価の重荷となる恐れ(Bloomberg.co.jpから引用)

賞与を繰り延べて業績が悪化すると、その繰り延べた賞与を支払わなくてもよくなるのだろうか。

引用開始
1月23日(ブルームバーグ):資産規模で米銀6位のモルガン・スタンレーがボーナス支給の繰り延べ分を増やすことは、経営トップには報いられるものとなるだろう。だが、株主にとってはコスト計上の影響が少なくとも3年間続く可能性がある。

  モルガン・スタンレーは2011年分の上級投資バンカー・トレーダー向け報酬パッケージを減らすことで利益改善を果たしたが、報酬の平均75%の支払いを遅らせた効果が大きい。2年前の割合は40%だった。事情に詳しい関係者が述べた。こうしたコストは、今年以降に発生することになるとみられる。

  元リーマン・ブラーザーズ・ホールディングスのアナリストで今はニューヨークで税制コンサルタントをしているロバート・ウィレンズ氏は、報酬支給の繰り延べは「今の利益の全体像を良く見せるだろうが、株価には重荷だ。この経費が計上され、将来の利益を圧迫することに比較的短期間のうちに人々が気付くだろう」と述べた。

  ボーナス一括払いが金融危機悪化の一因だとして、ウォール街の金融機関は議会や当局から賞与支給繰り延べの割合を増やすよう圧力を受けている。米連邦準備制度理事会FRB)を含む監督当局は、積極的なリスクテークで成功した従業員のボーナスが増えるが、そのリスクテークが後に金融機関に打撃を与えることもあると主張。ボーナス支給を遅らすことが従業員をリスクテークに対し消極的にするとしている。

  UBSやクレディ・スイスも固定報酬費の支払いを将来に繰り延べる報酬計画となっているが、金融機関は一般的に支払い先送り分の割合は開示していない。

  モルガン・スタンレーの広報担当マーク・レーク氏は、同行が11年にボーナス支給繰り延べでどの程度節約したかや、純利益に与えた影響についてのコメントは控えた。

記事に関する記者への問い合わせ先:Bradley Keoun in New York at bkeoun@bloomberg.net;Michael J. Moore in New York at mmoore55@bloomberg.net.

記事に関するエディターへの問い合わせ先:David Scheer at dscheer@bloomberg.net;Rick Green in New York at +1-212-617-5804 orrgreen18@bloomberg.net.
更新日時: 2012/01/23 15:13 JST
引用終了