米日中央銀行がドル・円増札 世界経済への影響は?(人民網日本語版から引用)

今度、がらがらと崩れたら、アジア諸国や日本への投資が面白そうだ。

引用開始
今年の第2四半期(4-6月)から、米国と日本という世界の二大経済体で経済復興の歩みが明らかに鈍化している。財政政策が国内の政治的要因や財政赤字の圧力にさらされて、両国はより緩やかな通貨政策を採用して、経済成長を刺激する方向へとますます傾いている。だが両国の中央銀行が争うように「水門を開け水を放流」しても、世界経済にとって吉とでるか凶とでるかはまだわからない。「経済参考報」が伝えた。
 先月30日、日本銀行中央銀行)は臨時の金融政策決定会合を開き、最近の円高を背景とした日本の通貨政策の方向性を検討した。会合終了後、日銀は追加金融緩和策を取ることを発表した。
 これに先だって、米連邦準備制度理事会FRB)はかつて、米国経済の成長ペースの鈍化を踏まえて、FRBは臨時の通貨緩和策を取り、経済成長を支えることを明らかにした。
 実際、FRBの「ドル増札」は、円高の一つの原因となった。円高が進むと、今後は日銀が「円増札」を迫られた。相場は徐々に波及するもので、両国の中央銀行はついに競うように増札を行うようになった。
 こうした状況を風刺して「必要とあらば、FRBはヘリコプターでウォール街に紙幣をまき散らすことが可能だ」と言った人がいる。だが紙幣は結局のところ紙幣に過ぎず、資産そのものではない。通貨政策の役割には限界があり、もしも両国の中央銀行が通貨政策の魔力を信じすぎれば、世界経済にとってはマイナスだ。
 注意すべきは、両国の中央銀行の基準金利が限りなくゼロに近づいていることで、中央銀行が直接資金を注入したり、金融機関の保有する証券を購入したり、金融機関が保有する証券を担保としてほぼ金利ゼロで資金を貸し付けたりといった、いわゆる追加の通貨緩和策は基本的には非常時の手段だということだ。
両国の中央銀行が追加の通貨緩和策を取る出発点はおそらく間違っている。米国も日本も、経済成長が力を失っている原因は構造的なものだ。日本を例に取れば、経済は1990年代のバブル崩壊後の痛みから完全に抜け去っていない。世界の主要経済体の中で、過去10-20年の基準金利は日銀が最も低かったが、日本経済はあいかわらず精彩を欠いている。国際金融危機の前には、いわゆる中国需要で日本経済は小春日和を迎えた。ここからうかがえるのは、経済の構造的な問題が引き起こした経済成長の力不足に対し、通貨政策がもたらす作用は非常に限定的だということだ。
 米国をみると、通貨緩和策を採用する根拠が不十分だ。米国経済の成長ペースが鈍化した主な原因は、政府の経済刺激措置の効果が薄れ、個人の投資やニーズが順調に伸びていないことにある。より深層レベルの原因として、国際金融危機を経て、借金による消費に過度に依存した米国の経済モデルは変更を迫られており、この間、米国経済の成長ペースが危機前の水準に急速に戻ることは困難とみられる。
 現在、世界的にはインフレ圧力は大きくなく、一部の国では軽いデフレの圧力さえある。米日の中央銀行は政治的圧力に迫られて、追加の通貨緩和策を取らざるを得なくなっている。こうした動きは長期的にみて価格の安定に軽視できない影響をもたらすとみられる。
 両国の中央銀行が競うように印刷機を動かしていることも、一層深刻な問題をもたらすとみられる。投機の横行だ。この問題は次の2つの面から説明できる。第一に、米日両国からみて、金融機関は極めて安いコストで中央銀行から資金を調達でき、多くの場合、この資金は企業や個人に回ることなく、金融市場での投機行為に回ることになるからだ。ふりかえれば、2009年にグローバル金融市場は持続不可能な反発を繰り返した。これは投資家の復興に対する信頼感と関連し、また先進国の金融システムにはびこった過剰な流動性と関係したものだった。第二に、世界的にみて、米日両国のゼロ金利政策は、新興国発展途上国との金利差を拡大するもので、これにより大量の投機資金が新興国発展途上国の市場に流入し、ひいてはいわゆるホットマネーによる投機問題が発生する可能性がある。(編集KS)
 「人民網日本語版」2010年9月1日
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